講談社学術文庫<br> 生き残った帝国ビザンティン

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講談社学術文庫
生き残った帝国ビザンティン

  • 著者名:井上浩一【著】
  • 価格 ¥1,210(本体¥1,100)
  • 講談社(2020/09発売)
  • ポイント 11pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061598669

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内容説明

ローマ皇帝の改宗からコンスタンティノープル陥落まで
「奇跡の1000年」興亡史

栄華の都コンスタンティノープル、イコンに彩られた聖ソフィア教会……。興亡を繰り返すヨーロッパとアジアの境界、「文明の十字路」にあって、帝国はなぜ1000年以上も存続しえたのか。キリスト教と「偉大なローマ」の理念を守る一方、皇帝・貴族・知識人は変化にどう対応したか。ローマ皇帝の改宗から帝都陥落まで、「奇跡の1000年」を活写する。

目次

プロローグ――奇跡の1000年
第1章 ローマ皇帝の改宗
第2章 「新しいローマ」の登場
第3章 「パンとサーカス」の終焉
第4章 栄光のコンスタンティノープル
第5章 苦悩する帝国
第6章 ビザンティン帝国の落日
エピローグ――1000年を支えた理念

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

syaori

56
ビザンティン帝国一千年の歴史をコンパクトにまとめた一冊。ローマ帝国からどのように脱皮して中世の西欧が憧れた黄金の帝国へ変容し、その後衰退の道を歩みながらもいかに内外の危機に対応することで永らえ続けたのかを、時代を代表する皇帝たちの事績を追いながら見てゆく構成。こうして見ると政治体制だけでも、民主制から専制君主制、貴族連合制へと次々に変遷していることが分かって驚きます。また歴史的な事件だけでなく宮廷の陰謀等も絡んで歴史小説でも読んでいるように、楽しくビザンティンのアイデンティティと歴史を大掴みにできました。2021/05/03

cockroach's garten

32
栄えあるローマ帝国から東西に分裂し、加えてゲルマン人の侵入によって崩れ去った西ローマ帝国。このまま東も滅ぶか。しかし、東はしぶとく強かに一千年もローマ帝国の後継者として生き残った。ビザンツ帝国は万年内外に問題を抱えつつも乗り越えていく。最盛期に迫る勢いで盛り返したかと思えば、首の皮一枚で生きながらえる。波瀾万丈の只中生存に奔走する彼らの話は西側諸国とは違った面白さがあって面白い。だが、盛者必衰の如く最期は儚い。運命を悟りつつも生き残ろうと必死に画策するマヌエル二世の姿には感動を禁じえなかった。2019/06/09

キャプテン

29
★★★★☆_「シャドウ・オブ・エンパイア・フェア」第三弾。オスマン帝国に引き続きオリエントから、ビザンティン帝国。ローマ帝国の後継国で、本来は東ローマ帝国という。コンスタンティノープルは帝国の都市に作り替えられた。コンスタンティノープルには、世界の最先端が集まっていた。テオドシウスの大城壁の前で打ちのめされる想像をしてみる。たまらーん。ギリシア火を想像をして打ちのめされる。たまらーん。(どこまでも想像しまくるのが楽しいのだ!)優美、華麗、雄大、それらを欲しいままにした帝国の滅びの美しさが分かる一冊だった。2020/07/08

27
西ローマ帝国が滅びた後、千年も存続したビザンティン帝国。何度も滅亡の危機に遭いながらも、生物が脱皮をするかのように自身を変化させ、それらを乗り越えた。ビザンティンはローマ帝国と違い、政教一致の不寛容な国というイメージだったけれど、建前と本音を巧みに使い分ける柔軟性、多様性を持っていた。古代ギリシア・ローマ時代より、ビザンティン時代の方が女性の地位が向上する等、人間の権利の拡大が見られたというのも興味深い。「ローマらしさ」を失いながらも「ローマであること」に拘った、不思議な魅力を持った国家だと感じた。 2014/06/05

Nat

22
これもヴェネツィア 関連から興味を持って読んだ本。何度も蘇り1000年続いた興味深い国だった。西欧中心史観から考えた場合では見えないものが、歴史には沢山あるのだなと感じた。帝国末期の皇帝マヌエル2世の人生が、印象に残った。イスタンブールのカーリエ・ジャミーのモザイク画を見に行ってみたい。2019/02/05

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