― エルリック・サーガ１ ルビーの玉座／魔剣ストームブリンガー

著者名：マイケル・ムアコック【著者・原作】/ジュリアン・ブロンデル【脚色】/ジャン・リュック・カノ【脚色】/ディディエ・ポリ【作画】/ロビン・レクト【作画】/ジャン・バスティッド【作画】

KADOKAWA（2020/08発売）

• ISBN：9784041086186

内容説明

〈混沌〉の神々を奉じ、ドラゴンたちを使役し、非道と退廃を極めた残虐なメルニボネ人の首都〈イムルイル〉。その恐怖と魔術による世界支配は一万年にも及んだが、その豪奢と征服にあけくれた帝国の歴史に、ついに終焉のときが迫りつつあった……サドリック86世の子として生まれ、白い髪・白い肌・紅い瞳を持つアルビノの王「エルリック」の手によって。
魔法と薬に頼って生きるしかない虚弱さや、哲人皇帝と呼ばれ残虐性や戦争を好まないエルリック王の姿に、従兄弟のイイルクーンらは苛立ちを深めていた。そうしてエルリックを挑発するイイルクーンのことを、その妹であり、エルリックの王妃であるサイモリルが強く諌めるが、エルリックはそんなイイルクーンに寛大に接していく――しかし、そうした寛大さと赦しこそが、エルリックを陥れるその後の陰謀劇と、エルリックの愛するサイモリルをめぐる悲劇へとつながっていくのだった……。
今や伝説となった胸えぐられる悲恋、魂をすする魔剣をめぐる悲劇的ストーリーが、フランス発の絢爛豪華なフルカラーコミックとなって日本初登場！　原作者ムアコックやアラン・ムーアによる熱い前書き（それはエルリック・サーガのもつテーマの本質を解説している！）や、創作の過程を明かす設定資料群なども収録した充実の一作。


小説『メルニボネのエルリック』の最高のグラフィック作品は、新しい本作、ジュリアン・ブロンデルとそのチームの手になるものだ。原作の精神に忠実でありながらも、繊細なエピソードを書き加え、それは私が５０年以上前に思いついていたら、きっと取り入れたようなものだった。もし現実に、映画のシナリオを自分が書くとしたら、これらの変更をぜひとも取り入れるつもりだ。（著者・マイケル・ムアコックによる前書きより）

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[くさてる]

バンドデシネ。天野喜孝の表紙のイメージが強かったムアコックの原作は未読。こういう純然たるファンタジーは苦手なのですが、物語の勢いが強くてぐいぐいと読まされました。迫力ある画面構成と物語展開がマッチしていて、面白かったです。

2021/05/09

[ヒサ子。]

原作は、未読。世界中にファンを持つ壮大なダークファンタジーというくらいしか知らないけど、最近バンドデシネも読むようになったし、ちょうどいい機会だからと購入。一万年も歴史のある帝国の終焉だとか、1ページ目から引き込まれてた。すみずみまで描きこまれた廃頽的な背景がたまらない。もちろん、キャラクターも！愛する者のために禁断の力に手を出して呪われる英雄譚は王道だけど、ここまですごいのは初めてです！そして、続きがすごく気になる終わり方をされて、続巻出る前に原作に手を出してしまいそうじゃないか!!卑怯だ。

2020/09/29

[fap]

名誉と力を重んじるメルニボネの王子が王妃を取り戻す話。 アリオッチではなくありオックなのは時代の流れか。 常識が通じない。 倫理観がかすりもしない。 名前を聞いただけでそこまでせんでも。 そうそう、朱美姐さん、お久しぶりです。

2022/01/22

[トオル]

凄い！我らが白子の皇帝エルリックが化け物じみてない！！(笑)ストーリーは今更説明不要の、世界中に熱狂的ファンを抱えるダークファンタジーのコミック化…つか、これは画集…圧倒的描きこみに畏れ入るしかない。まあ、唯一難を言えば台詞読みにくいなって、小さくて。混沌の神アリオックの2人の娘、姉妹剣ストームブリンガーとモーンブレイドの禍々しさと美しさ。ストームブリンガー、何かエロチックでいいね。エルリックと床を共にする黒き女、最高。次の巻が今から待ち遠しくてたまらない！！

2020/09/19

[akiyuki3]

控えめに言って超サイコーだった。

2020/09/08