内容説明
人気アニメ『文豪ストレイドッグス』等にも登場し、知名度抜群の文豪「泉鏡花」だが、実際は、その(大変な美文ながらも)少々歯ごたえのある文体から、多くの挫折者を生み出してきたのもまた事実。
しかし、芥川龍之介らと同時代に大人気を博した、その文学の価値、人情噺の魅力は、現代においても比類がないものがある。
その泉鏡花作品が、本当に読みやすく、味わい深い、白水銀雪氏の現代語訳で、令和の現代に蘇った!
訳文は、秋山稔先生(金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長)が一文一文まで完全監修。
面白くてたまらない、そして切なく心に沁みる、泉鏡花の観念小説・人情噺の世界を、ストレス0で、お楽しみください。泉鏡花入門のための一つの大きな選択肢として――泉鏡花没後80周年記念企画・第二弾。
収録作品:外科室、歌行燈、琵琶伝、清心庵、義血侠血、婦人十一題、若菜のうち/作品解説:秋山稔
●秋山 稔:金沢学院大学学長・泉鏡花記念館館長
●白水銀雪:慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学)。システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事。現在、蓼科にて山暮らし
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
73
秋山稔の言う「美と反俗」の作家・泉鏡花の醍醐味をこれでもかと味わえる。「外科室」婦人と医学士の道ならぬ恋の最期。「歌行燈」代表作・複数の視点が最後に芸妓でひとつに収束。「琵琶伝」好みのお話。お通が良人を殺め、鸚鵡琵琶の鳴き声が聞こえてくる。「清心庵」母親の飛び降りと尼君の関わり。「義血俠血」美人芸人滝の白糸と村越欣也の哀しい結末。これも好み。「婦人十一題」女性と花の幻想的な歳時記。「若葉のうち」修善寺の純真な姉妹の姿は幻か。たしかに現代語訳で読みやすい。死ぬまで9歳の時に死んだ母親の姿を小説に書き続けた。2021/02/07
蝸牛
8
『義血俠血』の話が好きだけど結末に異論あり。2024/09/23
組織液
7
角川文庫の文語体が難しかったんで並行して読みました。「怪異・幻想」傑作選より好きな作品多かったですね。2022/05/01
まり
2
なんか外科室しか頭に入ってこなくて断念しちゃいました。いつか続きを読みたい2023/02/09