内容説明
1990年代以降の財政危機の時代に,日本の地方政治の政策選択がどのような特色をもち,どのように変化してきたのか。主に首長と地方議会からなる二元代表制に注目し,地方自治の制度的制約が,地方政府の政策選択にどのように働くのかを明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ryueno
4
基本的な問題関心は曽我・待鳥(2007)を引き継ぎつつ、地方政府の政策選択を分析した本。対象とする時期は、財政資源の制約がある90年代以降の地方政治。分析の基礎に置くのは「決定の一貫性」と「選挙における支持」である。また、制度配置に注目することで、首長と議会の間には「目的の分立」が生じていることから、両者の選好は異なることを前提とする。そして個別的利益に基づく現状維持志向を持つ議会に対し、一般的利益に基づいて現状維持点からの変化を求める首長が働きかけることで、地方政府の政策選択が行われることを主張する。2015/02/03
バーニング
1
個々の仮説や全体の問いの立て方(党派性モデルは現代では本当に通用しないのか)という部分に難点はあるものも、いくつかの分析を統計的に行うことによって思考実験している部分はあると思うし、その意味では含意は大きい。つまり中央地方関係の中で位置づけるのではなく、あくまで主張と議会の二元代表ということに重点を置いて何を説明することができるのか、を示したことへの意味をどう見るかだろう。2011/06/13
Ryueno
0
本書ではまず、地方議会と首長の選挙制度が異なることから、両者は異なる利益を志向するという前提を置く。その上で、地方議会の議員が首長の選挙に際して支持を表明することで知事の選好に影響を与えることが出来るが、政策の根幹となる予算提出権は首長のみが独占するという非対称な権限配分を確認する。これに加え、それぞれのアクターは過去に行った決定と矛盾する決定は行わないとする「決定の一貫性」という「ゲームのルール」も踏まえ、首長と地方議会は相互に影響力を行使し合い、その政治的競争の結果として政策選択が行われると論じる。2012/06/03
Ryueno
0
消化不良につき要再読。2012/02/03
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