内容説明
ともに入行した産業中央銀行で雌雄を決することになったふたりのアキラ。そんな中、彬の実家に異変が起きる。家業を立て直すため、父から会社を継ぐことを決意する彬。バンカーとしての矜持を持ち続ける瑛と、若くして日本の海運業の一翼を担う企業を率いることになった彬の人生が交差するとき、ふたりの前に新たな難題が……。
目次
第八章 ロザリオ
第九章 父の遺言
第十章 叔父たちの策略
第十一章 後悔と疑惑
第十二章 挑戦、そして挫折
第十三章 内憂外患
第十四章 お荷物ホテル
最終章 最終稟議
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
322
下巻になると完全に彬がメイン。改めて気づいたが、いよいよ彬が銀行を辞めるまで、二人のアキラが一緒にいるシーンが、研修の時しかなく、そのせいで後半、瑛が郵船の担当として再登場した時、急に完全体になって、サクッと解決してしまったような印象を与えるのだろう。肝心のホテル黒字化案の内容には全く触れられていないにも関わらず、持っていき方が上手いので、ラストの稟議提出は読んでいてゾクゾクさせられる。映画化されるらしいが、山場がギッシリなので、かなり削ぎ落とした味気ないものにならないか心配。2020/12/11
エピファネイア
104
二人のあきらと池井戸潤さんは同世代。池井戸さん自身バブルとその後遺症の時代を銀行員として頑張っておられた。当時は不良債権、貸し渋り、貸し剥がしなどの言葉が新聞紙上に溢れていた。山﨑瑛は少年時代に父親が経営していた町工場の倒産を経験、一方階堂彬は東海郵船の社長の息子として父親から帝王学を学ぶも跡取りにはならず銀行に就職。そこで同期入社の山﨑瑛と出会う。階堂の会社は一族の確執の中で経営が傾きそれを救済するため彬は銀行を辞めて社長に就任する。東海郵船に明日はあるのか。700頁超の大作だが一気に読ませる。お奨め。2022/11/27
mayu
92
経営者の苦悩と銀行員の葛藤。彬は一旦は別の道を選んだが、沈みかけた家業を無視できず、銀行を去り経営者となる。赤字を抱え破綻寸前の家業をどう立て直すのか。グループ全てを見捨てず、従業員もその家族も守りたい彬の決意。奇しくも、そんな彬の会社の融資担当となったのは瑛。過去に工場を潰した父を見てきた瑛は、救える者はなんとしてでも救いたいと願う。カネは会社に貸すのではなく人に貸す。この矜持のもと書き上げられた最終稟議。2人のアキラの熱い思いにしびれた。たぶんこの2人じゃないと成し得なかった結末だと思う。2022/08/03
H!deking
91
後編も一気読み!池井戸さん久しぶりでしたがこれはめちゃくちゃ面白かったです。お互い全く違う境遇で育ったアキラとあきら。それぞれが自分の運命を変えていく、といったところでしょうか。池井戸さん得意の銀行が金を貸す貸さないの話はもちろんですが、やっぱりお金が絡んだ人間の本質的な部分を描くのが上手いですね。途中何度かホロっとしました。いやー面白かった!2020/08/29
あきぽん
75
バブルが崩壊し、平成不況の中、彬は家業を継ぎ再建を目指す。そして瑛はその担当銀行員に…。悪役は悪役らしく、善玉は善玉らしいご都合主義で、それでもとっても面白い池井戸節全開。2人の主人公が完璧でかっこよすぎ。5年前のドラマでは向井理と斎藤工、今回の映画では竹内涼真と横浜流星ですか…なるほどイケメン×イケメン。2022/08/29
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