内容説明
不倫の恋におちた娘と、娘の恋愛により深く傷つく「父親」という孤独で哀れな存在を、切々と描きつくす恋愛大作。スタイリストの仕事に打込む純子は、妻子ある青年実業家の強引な情熱に動かされ、道ならぬ恋におちた。新製品開発競争で苦境に立つ化粧品会社重役の父・菊次の、複雑な思いを絡めて描く傑作長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
90
不倫の恋、娘の恋愛に傷つく父親。この作品は恋愛小説でありながら、父と娘の関係を描いた作品なのでしょう。父親の存在をほぼ知らないからこそ、娘を持つ父親とはこう思うものなのかと思わされました。父親とは孤独と複雑な思いを抱えているものなのですね。2018/01/08
rokubrain
8
楽しんで書かれたのでは。これが第一印象。 学生時代の靴磨きアルバイトなど随所に自分の分身を入れて創作しているのを感じた。 戦中派と戦後派の分かり合えない世代間の感覚のギャップをネタに 息子さんはいたが娘さんはいなかった遠藤先生の空想が結実した。 また戦中派の人間として戦後の日本人に失われつつある心を書いて残したかった気持ちも伝わってきた。 娘の不倫と会社での仕事の正義、これらをテーマに出来事が進む。 主人公、菊次「けじめ部長」の生き方には勝ち負けでないもうひとつの判断基準が軸になっている。2018/10/14
おの
2
高校の時、模試の現代文の問題で読んでからずっと読みたいと思っていてようやく読めた。ともかく泣いた。父親が娘をどんなに大切に思っているか、そう考えたら父に会いたくなった。学生時代に弱い男で火傷したので、娘の気持ちもよく分かる。娘の偉いのは、自棄にならなかったところだな。全然関係ないが、やはり昭和のお嬢さんの話し方素敵。真似しよう。2015/07/10
takehiro
2
良い父親だと思うが、娘に対しても仕事に対してもちょっと堅過ぎると思った。2014/08/29
からしれんこん
2
菊次のけじめ。時代は30数年前やろうか、戦中派からすると時代は進みすぎていた。P251は痛すぎる気持ちやな。宗と純子の関係はよくある不倫関係で、結局男は妻に戻るという典型。ベタに話は進んでいくんやが、情念を感じる。しかし父親と娘というのは、父親の精神安定を崩すものやなと思った。しかし菊次の仕事は見事に古い。特に秘書の奥川に対しては甘すぎるな。全然けじめつけてないがな。と思いながら読む。節子との関係は結局【縁】がなかったということ。これは深いなと思った。2012/10/04




