魚の自然誌 - 光で交信する魚、狩りと体色変化、フグ毒とゾンビ伝説

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魚の自然誌 - 光で交信する魚、狩りと体色変化、フグ毒とゾンビ伝説

  • 著者名:ヘレン・スケールズ【著】/林裕美子【訳】
  • 価格 ¥3,190(本体¥2,900)
  • 築地書館(2020/08発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784806715948

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内容説明

体の模様・色はなんのためにあるのか、浮袋が先か肺が先か、ナマズはハトの捕まえ方をどのように学ぶのか、大きな口で丸呑みする捕食者からいかに逃れるのか、フグはなぜ自分の毒で中毒しないのか。
世界の海に潜って調査する気鋭の魚類学者が自らの体験をまじえ、魚の進化・分類の歴史、紫外線ライトで見る不思議な海の世界、群れ、音、色、狩り、毒、魚の思考力など、魚にまつわるさまざまな疑問にこたえる。

目次

プロローグ─世界を旅する魚類学者
地球でもっとも成功を収めた生き物
魚をめぐるツアーに出かけよう
私が魚に魅せられた日
魚を眺めるいくつかの方法
世界の海で魚に出会う

chapter1 魚とは何か─魚類学の始まり
魚類学が始まる
16世紀の魚に関する3冊の稀覯(きこう)本
ロンドン王立協会を苦境に立たせた本
魚を分類する
生命の樹の中の魚の枝
[コラム] 海の女神セドナ─イヌイットの伝承

chapter2 深みをのぞく─進化の系統樹をたどる旅
生命の樹で最初に出会う魚のグループ─真骨魚類
ミッシングリンクの探索─魚と両生類をつなぐ生き物
浮袋が先か肺が先か─ハイギョ
どちらが人間に近いのか─シーラカンスvsハイギョ
なぜサメは長寿なのか
顎のない魚の生き残り─ヤツメウナギとヌタウナギ
[コラム] ヒラメが笑顔を失ったわけ─イギリス・マン島、伝承

chapter3 色彩の思わぬ力─体色の意味するもの
体色を獲物の色に似せる戦略
太陽光と深海の赤い魚
同種と闘うための体色
紫外線の効果
銀色の魚が水中で姿を隠す方法
生きた魚を描く
雌はなぜ色鮮やかな雄を好むのか
捕食と体色
濁った水が交尾行動を妨げる
[コラム] 知恵のあるサケ─アイルランド、伝承

chapter4 海のイルミネーション─光を発する魚たち
深海探査の始まり─光る魚たち
青い光の世界へようこそ─バクテリアという相棒
紫外線ライトで見る秘密の落書き
海の中の不思議な赤色の世界
[コラム] オオナマズ─日本、江戸時代

chapter5 群れを解析する─生き残りの戦略
さまざまな推進力
集団で暮らす─縄張りから群れへ
魚の集団を探索する─スワローリーフ
産卵のために集団をつくる魚たち
魚の追跡調査
回遊する魚は大陸の位置も知っている
性転換する魚
巨大魚の昔と今
[コラム] 偉大な王オシリスとエレファントフィッシュ─古代エジプト、今から2400年前

chapter6 魚の食卓─水中で暮らす魚に共通する課題
ハンターとしての魚
海藻農園をつくるスズメダイ
水中の狩りで発達した器官
電気刺激で見る夢の中を泳ぐ魚
食べたら出す
[コラム] もっとも強い毒を持つ魚、バツナゲッダ─アイスランド、16世紀

chapter7 毒を持つ魚─人と魚毒の深い関係
フグはなぜ自分の毒で死なないのか
フグとある女性科学者の冒険
フグと生ける屍─ゾンビ伝説
92歳で水深25メートルのフグの巣を観察
[コラム] 巨大魚チプファラムフラ─モザンビーク、伝承

chapter8 太古の海の魚たち─化石魚から進化をさぐる
性器を持つ最古の魚
生物は絶滅する─舌石(ぜっせき)の教え
サメ類の繁栄
海の生物の構図が変わった白亜紀の大絶滅
[コラム] 海の医者─ペルシャ、8世紀

chapter9 魚のオーケストラ─海は魚たちのたてる音に満ちている
米国海軍と海の中の不明な音
魚の発声の仕組みをさぐる
耳石(じせき)で音を聞く
目が見えなくても位置を知る方法
音をたよりに生活する魚たち
[コラム] 魚と金の靴─中国の唐、9世紀

chapter10 魚の思考力
勝者を好む
魚にだって脳はある
魚の感受性
魚にも福祉を!─アニマルウェルフェア

エピローグ

謝辞
訳者あとがき
章扉イラストの魚種一覧
用語解説
おもな参考文献・注釈
索引

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

海星梨

7
貸出期限に追われて慌てて読む。結構知ってる話が多い。もっと個別な話が知りたいんだが、生物学においてはもう興味が論文レベルな可能性。。。つーか、水中生物はあんまり知らないつもりだったから借りたんやけどな。。。2024/09/17

人生ゴルディアス

2
魚類に関する話フルコース。進化生態物理の話まで。(サンゴ礁のパチパチ音は海老のキャビテーションらしい) ダイビングの話も多くて行きたくなる。メガネモチノウオがそんなに貴重だとは……パラオにめっちゃいたし、確かに密漁後に頭だけ捨てられてるやつに出会ったりもした。ブルーコーナーとかも書かれてて懐かしくなった。体内で色素を作る魚はものすごく少なく、他はほぼ構造色とか、深海の魚が赤い理由とか、実は紫外線に反応する模様をたくさんの魚が持ってるとか、良い本でした。同著者で『貝と文明』というのもあるらしいので読みたい。2020/05/04

新平

2
令和の時代に直球の邦題。バイオロギング、遺伝子解析、潜水艇での撮影等、新しい研究手法によって、魚の知見がかつて無いほどに蓄積されてきた事を執筆の理由として著者は挙げているが、原題の副題であるフィッシュウォッチャーガイドとして10年代の研究成果も盛り込んでおり、スマホ片手に魚種を確かめながら楽しめる。動物の行動を自然言語で記載する古くからの研究成果も作者の実際の観察によって生き生きと語られる。晩年のローレンツはノーベル賞の賞金で巨大な水槽を作り、ツノダシ一匹一匹に名前をつけて観察していたなんてエピソードも。2020/03/28

yokkoishotaro

1
2021年NO1の本を年明け早々読んでしまったな。内容は海洋生物学の最新の情報を参照してて、かなり重厚。コラムとかちょっとしたエピソードもまた秀逸。読んでて飽きない。水産・海洋系の学生は必読だろうし、これ読んで水産・海洋系に興味持つ人もかなり多いんじゃないかな。2021/01/05

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