中公新書<br> 公家源氏―王権を支えた名族

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中公新書
公家源氏―王権を支えた名族

  • 著者名:倉本一宏【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 中央公論新社(2020/08発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121025739

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内容説明

源氏と聞いてイメージするのは頼朝や義経に代表される武士だろう。だが古代から近世にかけ、源朝臣の姓を賜わった天皇の子孫たちが貴族として活躍する。光源氏のモデルとされる源融、安和の変で失脚した源高明、即位前に源定省と名乗った宇多天皇など、家系は二十一流に及ぶ。久我家、岩倉家、千種家、大原家など中世や幕末維新期に活躍した末裔も数多い。藤原氏とともに王権を支え続けた名族の全貌。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

真理そら

63
膨大な系図と共に公家源氏について分かりやすくまとめられている。確かに源氏の系譜では頼朝義経あたりの武家が有名すぎるけれど、賜姓源氏では公家としての有名人も多い。そういえば藤原道長の妻は二人とも賜姓源氏だ、天皇の血筋という箔付けが欲しかったのかもしれない。光孝天皇の流れの光孝源氏・是忠(宇多天皇と兄弟)の曾孫・康尚は仏師になり、その子が定朝だという記述で『満つる月の如し(澤田瞳子)』を読み返そうと思った。平安時代の作品の資料としても役に立ちそうだ。2020/04/07

ホークス

52
おなじみの頼朝や義経は清和天皇の子孫。清和源氏も平安期の天皇から出た多系統の源氏の一つ。本書は各源氏の公家としての歴史を追う。藤原氏の全盛期とあって、天皇から一代目は出世しても、その後が続かない。公家の出世争いは激しく、藤原氏は邪魔者に容赦しない。にも関わらず、相応の公家として生き延びた系統もある。藤原氏も皇統に連なる源氏との婚姻を望んだためで、両家の関係図は複雑怪奇。本書は各天皇から数代の源氏系図(官職付き)が素晴らしい。血縁話はマニアックだけど、官職もたくさん出てきて律令制好きとして満足。2020/10/04

terve

45
武家では無い源氏にスポットライトを当てた良書。「王権の藩屛」たり得たのは一部の源氏であり、実際は世代が下がるにつれて没落する貴族も多かったようです。中央での出世を諦め、別世界に活躍を求めたのが武家の源氏であるというのも面白い話で、もし、ミウチ意識によって全員が貴族になれたならば、鎌倉幕府は生まれなかったということなのでしょう。そう考えると、歴史の偶然(必然?)を感じずにはいられません。第四章で散見される「~源氏のすごい人たち」という括りは、筆者ならではの表現では無いでしょうか。2019/12/25

syota

41
光源氏の子孫はどうなるのだろう、とは常々思っていた。読友の方のレビューでこの本を知り、さっそく読む。読み応えのある真面目な歴史啓蒙書だ。我々の知る平安時代の歴史は皇室と藤原氏から見たものだが、ここに書かれているのは藤原氏よりはるかに格式高い貴種でありながら、貴族としてはついに主導権を握れなかった源氏たちから見た歴史。平安時代の天皇の多くは、皇位継承候補者以外の子を源氏として臣籍降下させ、結果として大量の源氏が次々に誕生した。しかし、氏族としての地盤を持たない彼らは、皇室との身内意識だけが頼り。→2020/08/23

みこ

33
臣籍降下した賜姓源氏のあれこれ。あくまで(歴史的に無名な)源氏中心なので、話の中に時折出てくる天皇や藤原氏の名前で何時くらいの時代の話かを理解しないと読めない。はっきり言って著者に読者を楽しませようという意図はないだろう。お父さんのお父さんを真っすぐ辿ればかつての天皇に行きつくのに、民間人の藤原氏にへいこらしてたことに初めは違和感を感じていたが、要するにその時の天皇の嫁の父か遠い親戚か、「ミウチ」かどうかで当時は上下関係が決まっていたようだ。現代で例えるなら小和田恒氏と竹田恒泰氏?2020/02/19

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