内容説明
すべては怠慢のツケである――医療は崩壊寸前にまで追い込まれ、オンラインでの診療・授業は機能せず、政府の給付金さえスムーズに届かない。新型コロナウイルスは、日本の社会システムの不備を残酷なまでに炙り出した。それは、政治、行政、マスコミの不作為がもたらした当然の結果でもあった。これまで多くの改革を成し遂げてきた財務省と経産省出身の二人のエキスパートが、問題の核心を徹底的に論じ合う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
27
主にコロナ対応に対する批判です。国家の怠慢は具体的には省益しかない官僚、リーダーシップや戦略のない政府、具体策がなく目先にはしる野党、知性のないマスコミ、無気力な国民ということなのだろうなと思いました。何故コロナ時の景気対策で消費税減税しないのか不思議でした。2024/02/05
mazda
13
前文部科学大臣の前川さんって、出会い系バーに出かけているところをすっぱ抜かれて「貧困調査のため」とぬけぬけと言ったそうですが、さてさて、その調査結果のレポートは?そんな人が、加計学園の申請を受理しないという荒業に出たことは記憶に新しいですが、およそ民主国家とは思えない人でなしです。こんな人ばかりとは言いませんが、特に財務省に行くような頭のいい方々は、どうも人を見下す傾向にあるようです。そりゃ、許認可がほしい人たちからペコペコされて接待漬けにされれば、勘違いもするよな…。国のために働く人はいるのかな…?2022/02/21
ひでき
12
元官僚の2人の対談(webによるものらしい)を一冊の書籍にまとめたもの。新型コロナ対応、規制、マスコミなどに切り込んでいく。内容は正しいと思うし、簡潔で分かりやすい。しかしどこか他人事のような話しぶり。元官僚なので国の内部に詳しいのをいいことに言いたい放題という感じ。どうしたら改善できるのか、という点をもう少し語ってほしかった。 2021/06/21
大先生
11
またしても有権者必読の書!!元官僚同士の対談本です。高橋洋一氏については、差別的な発言をする人という印象があって、これまで避けてきた部分があるのですが、もっと早く読めば良かったと思います。高橋洋一氏は(人格的に問題があるか否かはおくとして)優秀ですね。口が悪い部分もありますが。非常に論旨明快(笑)。この一冊で、コロナ、規制改革、行革、モリカケ問題、文科省の質、新聞テレビ等のマスコミの問題等などについて、問題の本質が見えてくると思います。やっぱり、敢えて普段読まない人の本を読むことは大切ですね!2021/02/19
まゆまゆ
9
役人時代に規制改革に携わり現在は民間人となった2人による対談集。政府が需給調整を決めていた90年代に終わりを告げ、民間企業主導で活動させるための役所の規制改革が進める渦中の中にいた2人。天下りや既得権益を守るための抵抗勢力と戦わざるをえない状況の中でここまできたのは、やはり方向性が正しいと応援してきた人たちの力なのかな。現在のコロナ禍対応について、日本は戦時を想定した仕組みがないので緊急事態、諸外国は戦時を想定した非常事態、というのが印象に残った。2020/12/08
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