内容説明
超へっぽこ球児たちの「泣き笑い」劇場――へっぽこという言葉では甘すぎる? 1998年夏。「歴史的」スコアで大敗し、全国に知られた青森県立深浦高校野球部の球児たち。生徒数減で高校自体が存亡の危機に立つなか、野球部員たちは死力を尽くして戦った! 涙あり、笑いありのドラマを描いた話題作が、球児たちの「その後」を加筆し、待望の1冊に。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばりぼー
45
1998年夏、「122対0」という歴史的なスコアで大敗した「事件」が、翌日のスポーツ紙の一面を飾り、彼らのへっぽこぶりを軽いノリで茶化した記事が多かったと記憶しています。「むしろ評価されるべきは、この試合の後の彼らの二年間だろう。大敗の後、彼らは彼らなりのペースで野球をやめずに過ごした。それはなぜかといえば、一緒に野球をする先生が好きで、お互いいい仲間だったからにほかならない」というあまりにも単純な理由が挙げられていますが、劇的な展開を排し、負け続けた彼らを淡々と綴る真摯な取材姿勢に好感が持てました。2016/07/30
rabbit
10
当時は地方大会初戦でもテレビ中継されていて、この試合もたまたま中継されてしまっていた。最近では、野球留学の問題や公立高校無償化の影響もあり、公立が力を付けて来たため、この頃ほど大差の試合は少なくなってきたと思う。深浦自体も、分校化したものの、この後は力を付けて、夏の大会で勝利を挙げている。今年の夏も各地で公立高校が活躍しており、どうなるか楽しみだ。2016/07/24
2Tone
4
122対0の甲子園の青森県予選での試合結果。最初は、負けた深浦高校の下手さ加減に驚きつつも、どうも一生懸命やった結果らしい。とここまでは良かったがニュースになってしまったことから、それからの人生にも影響を与えてしまった。負けた深浦高校の選手の方は、返ってサバサバしていて、前向きに考えていったことに比べ、勝ってしまった方も、いろいろ言われるだろうな〜と思うと、ちょっと複雑。 弱いチームにもそれなりの意義があることと、それを支える大人達がいたことと、田舎だったことも良かったんだと思う。2013/05/28
もも
3
122対0。野球のスコアです。負けた方の立場からのノンフィクション。ちょうど、息子が高校野球児の時に読みました。その後、家に置いておいてたら、普段、本など読まない息子がこの本を鞄にいれて持ち歩き読んでいたのにはびっくり。(まあ、弱小校だったので立場的には、甲子園で活躍する本よりこちらに共感したのかな?)。両チーム、最後までまじめに試合に取り組んだ結果生まれたドラマだと思います。
kayak-gohan
3
これもかなり前に読んだ本。都市部と地方における格差が野球だけでなく学業の方でもあることを知り、現在の教育問題の根深さを感じた。作者の丁寧な取材と選手たちへの暖かい眼差しが作品の根底に流れており、読んだ後「みんながんばれ!」とエールを送りたくなった。
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