内容説明
かつてはこの国にも確かな見識があった。著者は東大を繰上げ卒業して海軍に入り、中国で終戦。戦後は志賀直哉に師事して、生きる意味を深く問いかける名作や人間味溢れる随筆を数多くしたためてきた。その実体験と読書体験と思索に裏打ちされた、人生の叡智が凝縮された読むほどに味わい深い1冊。
目次
第1章 日本人の見識
第2章 英国人の見識
第3章 東洋の叡智、西洋の叡智
第4章 海軍の伝統
第5章 天皇の見識
第6章 ノブレス・オブリージュ
第7章 三つのインターナショナリズム
第8章 孔子の見識
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
39
海軍のエピソードや歴史的な人物に対面した経験談が面白かった。海軍出身ではあるので、海軍びいきなところがある。2017/02/03
カブトムシ
36
阿川弘之が、志賀直哉に師事したのは、他にはなく、阿川自身の意志による。志賀は結果として、多くの門下生を持ったが、阿川と同じで皆がその門を叩いている。「小説の神様」の称号も皆が勝手にやったことで、自分は関わっていない。この本は阿川の通例で、志賀直哉が恩師として登場している。志賀は、先の大戦の東條英機に批判的だが、阿川もこの本で、東條英機が、戦後に際して自殺を果たせなかったことに批判的だったと記憶している。読者の意見が別れるところかもしれない。私は、恥ずかしながら阿川の短編や随筆のみしか読めなかった。
やっち@カープ女子
35
大正の生まれで、戦争を経験された方の見識なので説得力があります。興味深い話は、東條英機の悪口と孔子の見識。それとユーモアの大切さは国家の品格の藤原さんと同じ考えでエピソードも面白かったです。2013/08/10
saga
27
編集が決めた書名と著者のコンセプトが多少違うが、それでも英国のジェントルマンシップと武士道、そしてその流れを汲むネイビイズムの話は十分に楽しめたし納得のいくものだった。昭和天皇の見識を知り驚くとともに、天皇崇拝を唱えながらも、天皇の意思に反し、戦争へ突き進んだ軍部の姿に憤りを感じた。儒教については是非があるかも知れない。しかし、論語を聖典扱いせず、伝記的言行録として読むなら、別の解釈ができるかもと思わせる筆致がここにはあった。本書を読むきっかけは宮脇俊三氏のエッセイであることを付記する。2013/09/12
佐島楓
25
志賀直哉に師事し、第二次世界大戦を語る。まさに昭和の生き字引と表現させていただくのがふさわしい方である。今度別の著作も拝読しようと思う。2012/07/25
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