講談社現代新書<br> 苦しい時は電話して

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講談社現代新書
苦しい時は電話して

  • 著者名:坂口恭平【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 講談社(2020/08発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065207765

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内容説明

死にたいほどつらくて苦しい時、人は何をするのが最も良いのか?
躁鬱病を患う著者が、「死にたい人」からの電話を10年受け続けてわかったこと。

【著者メッセージ】
090-8106-4666

これは僕の携帯電話の番号です。

僕は「いのっちの電話」という、死にたい人であれば誰でもかけることができる電話サービスをやっています。もちろん無償です。本家本元「いのちの電話」がほとんどかからないという現状を知り、2012年に一人で勝手にはじめました。1日に5人ほどかけてきます。なので、1年だと200人弱。もう10年近くやっています。

なんでこんなことをはじめたのか。

なぜなら、自殺者をゼロにしたいと思っているからです。

自殺者がいることが当たり前になってしまっている。そのこと自体が異常なのではないかと僕は思います。もちろん、それぞれの人生はそれぞれに決めることができるので、自ら死にたい人を止めようとするのはどうなのか、それも人間の自由ではないかと思われる方もいると思います。

僕も何度かそう言われたことがあります。そう言われれば、わからないことはありません。いや、どうかな……やっぱり納得できないところがたくさんあります。
 
なぜなら僕自身も死にたくなるからです。

あなただけではないんです!

もちろん、1年に何万人もの電話を受けることはできません。僕にできるのは1日に10人が限界だと思います。そこで、いつも電話で話していることをこの本に書いてみることで、電話だけで対応できない人々にも、死ななくてもいいんだと感じてもらえるのではないか。

そんな気持ちからこの本を書くことにしました。

【目次】
1章 反省禁止!
熱が出ている時と同じ/体からのメッセージ?
2章 24時間、悩める人
すべて僕自身の経験/悩むこと自体は悪くない
3章 不滅のジャイアン
気持ちいいかどうかを確認する/細かな願望に気づく
4章 とても、苦しい時に
10分、悩みまくる/朝ごはんだけ、つくってみる
5章 「いのっちの電話」から
明けない鬱はない/周囲に漏らしていい
6章 自殺者をゼロにする
ただの絶望ではない/警察署の刑事からの電話
7章 天下一の生真面目人間だから
暴力をうまく活用する/死にたい人はサボらない
8章 僕の毎日の過ごし方
どんな時も歌を歌う/迷わず仕事をやめていい
9章 苦しみ自体が力となる
企画書をつくる/毎日1時間でいい
終章 悩むのは、才能の一つ
積み重ねが自信につながる/続けることで変化する

目次

はじめに
1章 反省禁止!
2章 24時間、悩める人
3章 不滅のジャイアン
4章 とても、苦しい時に
5章 「いのっちの電話」から
6章 自殺者をゼロにする
7章 天下一の生真面目人間だから
8章 僕の毎日の過ごし方
9章 苦しみ自体が力となる
終章 悩むのは、才能の一つ
おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おたま

57
『自分の薬をつくる』とほぼ同時に発行されている。こちらが理論編で『自分の薬をつくる』が、ワークショップを中心にした実践編というところ。内容は、今、死んでしまいたいと思っている人に向けて、心や生活を、どうしたそこから転換していけるかを考え述べたもの。両著ともに、日課を作ること、アウトプットの大切さ、自己否定を創造性に転化すること等を勧めている。著者自らが躁鬱病と診断され、鬱の時の自分から脱出するために、そして、本気で自殺者をゼロにするために書いている。何度も自分の携帯番号を掲載していて、本気度が伝わる。2021/05/24

ネギっ子gen

50
医師から躁鬱病の診断を受けている著者が、個人情報の最たる携帯番号を公開し、個人で<死にたい人であれば誰でもかけることができる電話サービス>「いのっちの電話」を2012年より無償でやっている。本家本元の「いのちの電話」がほとんどつながらないという状況を知り、欝状態になることで周期的に死にたくなる著者が勝手に始めたもの。その動機は「自殺者がいることが当たり前になってしまっている。そのこと自体が異常なのではないか」と。一日に7人程かけてきて、一年だと2000人を超える。最初と最後に、携帯番号をゴチックで明記。⇒2020/09/16

フム

35
「いのっちの電話」という、死にたい人が誰でもかけられる電話サービスを10年続けている坂口さんの本。『苦しいときには電話して』というタイトルは、何らかの苦しさを抱える人にとって、自分に呼びかけられたような気持ちにさせるのではないだろうか。私も素通りできず手に取った。坂口さん自身が周期的に死にたい状況になるらしい。日本の自殺者は三万人、この夏はいつも以上に女性の自殺者数が多かったとの報道もあった。そんなときに、誰か話を聞いてくれたなら違っていたかもしれない。気持ちがふさぐと電話してくる友にもこの本を渡したい。2020/11/01

しょうじ@創作「熾火」執筆中。

32
【1回め】珍しく同じ筆者の本を続けて読んでしまった。いや、「読まされた」と言っていいだろう。これは、鬱病とか双極性障害とかといった、特定の疾患の本ではない。より広く「死にたい」と考えている人、考えたことがある人、これから先考えそうな人に向けた本である。「死にたい」は身体からのサイン、「興味がなくなってしまった」は「やりたいこと」があることの裏返し、日課を作って、それを毎日やっていくことが「薬」であることは、先に読んだ本とも共通しているが、両方とも読む価値はある。「いのっちの電話」、やってみようかなあ(笑)2020/10/17

踊る猫

30
またしても、不明を恥じなければならない。この著者のことは知っていたが、偽善を押し売りする人としか思っていなかったのだ。だが、私自身「死にたい」をこじらせる人間として、ここまで哲学的に(?)「死にたい」という気持ちを腑分けして、しかも自分の実存に根ざした形で論じる本だとは予測してなかったのだ(その分、ロジカルとは言えないかもしれない)。死にたい時、その死にたい気持ちを吐き出せと坂口恭平は書いている。それは彼が言うように(彼が敬愛するベケットのように?)小説を書くことでもあるだろう。彼に電話するのも手なのかも2021/02/17

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