内容説明
社会的な規範や制度や出来事は、人々から独立に客観的に存在しているわけではない。それは言語に媒介され、構築されていると考えるのが構築主義である。理論的な背景はフーコーやウィトゲンシュタインなど。本書は社会学に端を発し人文諸科学を席巻しつつあるこの新しい方法についての初めての入門・解説書である。執筆者には中堅・若手の気鋭を動員し構築主義の可能性を広く探っている。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
りょうみや
15
複数の著者が各章で各分野で構築主義を語る形式。社会学を一通り知っている層向けのようなので、なかなか難しい。詳細までは理解できなくとも、構築主義がどのような考え方、物事の捉え方なのかは理解できる。赤川学氏が一番構築主義について分かりやすかった。誤解を恐れずに簡単に言えば、構築主義の考えは、多くの人が当たり前と思っている物事の前提を疑い多面的に見るということ。2019/03/01
富士さん
4
昔、指導教官から「あれは癖があるから」と言われた記憶があります。確かに、編者のせいか、社会問題起源のはずが難解なセクシャリティや認識論への応用に流れている気はしますが、再読すると、今更聞けない構築主義の基礎がうまくまとめてあるがよくわかりました。構築主義は言葉を媒体に語りを独立変数、現実を従属変数とするものと理解できる。動態的であることが重要で静態的で恣意的な環境決定論に陥りがちである。学史的にはラベリング論とエスノメソドロジーの止揚形態であると解し得る。など、モヤっとしているところが明確になりました。2019/11/30
あまん
3
構築主義は反実在論的主張であると誤解されることから、現実は存在しないと考えられる。しかし、構築主義は、ある現実が存在することを前提にしているのは矛盾だと批判される。編者は構築主義者は、構築されるものは「属性」であると答えればいいという。なるほど。ジェンダー・セックス・セクシュアリティの項は興味深い。マイノリティという言葉を退け、エージェンシーとパフォーマティヴィティをキーワードとする。バトラーの言う、アイデンティティを固定的、本質的にせず、行為を経ることで析出し、流動的に再構成するということか。2021/12/10
まあい
3
構築主義の系譜をたどりつつ、主にジェンダー・セクシュアリティ分野についての議論がまとめられた論文集。やはり竹村和子先生は偉大だと再認識させられると同時に、伊野真一先生の「クィア・パースペクティブ」という提案に目から鱗が落ちた。(引用)「クィアは、視点であってアイデンティティではない」(p293)2016/10/04
デコボコ
0
友人Yのお薦め。彼が推す赤川学と、序章が特に良い。 社会学における「構築主義/構成主義」の理論的な面について。科学哲学の「社会構成主義/認識論的相対主義」とは扱われ方が随分違い、そこが面白い。2013/02/12
-
- 電子書籍
- 異世界のんびり農家の日常【分冊版】 1…
-
- 電子書籍
- 日曜日のはじめちゃん
-
- 電子書籍
- アクロトリップ 3 りぼんマスコットコ…
-
- 電子書籍
- ロマンスに姫は不在~小悪魔育成中~le…
-
- 電子書籍
- 「考える力」トレーニング 知的生きかた…




