内容説明
都内の大学に通う大晴は、将来に対しての夢もなくただ無為に日々を過ごしていた。ある日、祖父が倒れたという知らせを受けて実家のある田舎町へ帰郷した大晴は、そこで幼馴染だった黎夏と7年ぶりに再会する。美しい女性に成長した黎夏を見て、大晴の胸に再び恋愛感情が湧き上がる。だが久しぶりの再会にもかかわらず、黎夏の表情は曇ったまま。そこには、黎夏が抱える残酷な秘密が横たわっていた……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
一華
34
献本プレゼント賞品… 海とも、夢のなかとも言えぬ、アクアマリン色の不思議な空間をずーっと揺蕩っているようで、とても美しく哀しい物語だった…晩夏の時期に出逢えたことに感謝……想いださずにはいられないほどの忘れがたい過去があったはずだった…だからと言って流されるように怠惰に生きてきた現在、戻れるはずもなく…また、流されるように未来を歩いていくだけだ…たったひとり、漆黒の深海を手探りで…波の隨を漂うように生きてきたものとして……2020/09/03
稲荷
21
表紙買い。思っていた内容とは違ったものの、雰囲気はよかった。「大人とはなにか」というのを追求する部分や、主人公の成長が見どころだったかな。2020/10/14
インド
17
ー少年は少女と再会し、世界をめぐる旅に出たー 潜水艦、記憶、マリンブルー、写真の物語。クライマックスが本当によかった!日差しを浴びた宝石の輝きを見てみたいと思うけれども、それ以上に美しいものがあるのかと考えると、見るのは最後までとっておきたい。エピローグの彼女の幻影は、彼女がいつまでも彼が辿る光であるように感じて、とても尊くなった( ;∀;)。「どんな結末を選んでもいつかは浮上するだろう。暗闇を永遠に突き進むことはない。」ぼくも、いつか浮上できるだろうか。2021/11/17
なみ
13
東京の大学に通う大晴は帰郷し、幼馴染みの黎夏と再会する。封じ込めていた恋が再び動き出して──。 読んでいるときは、大晴と楽しそうに過ごす黎夏が微笑ましく思えるのですが、読了後はその姿が切なく感じます。 綺麗で読みやすい文章と、幻想的な雰囲気が好みでした。2020/08/14
ミャロ
10
夏と海がテーマの恋愛小説。あまり読まないジャンルなのでいまいち話を掴めなかったが、綺麗な文体と夜が明けたエピローグは良かった。ただ、急な展開に困惑。2020/09/11