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内容説明
「特攻を送った側の論理」に迫る名著。
彼は「統率の外道」と自ら呼んだ特攻作戦をやめなかった。なぜか――。
大西瀧治郎が主導した特攻誕生の背景には、いかなる戦況の変化、軍内部の動きがあり、それは日本人の精神構造とどう関係したのか?
特攻の創始者という汚名を一身に引受け、一言の弁明なしに自刃した大西瀧治郎海軍中将。豪放磊落な「海軍航空隊の第一人者」が戦局悪化の中迫られた選択を明らかにする。
解説・鶴田浩二
※この電子書籍は1972年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を、文春学藝ライブラリーにて再度文庫化したものを底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
CTC
12
本年8月の文春学藝ライブラリー新刊。単行本は72年同社、もとは文藝春秋68年10月号と71年の『諸君』連載加筆という事だ(本書底本は83年の文春文庫)。テキストが出た頃に児玉誉士夫は何をしてだろうか?とググってみると…この本は[あゝ決戦航空隊]という東映映画になっている。確かにね、本書解説は鶴田浩二なのだ(いや、鶴田もこの原作の事は書いてるんだが…この文章があまりに良くって、映画の話が頭に残らないほど)。著者は大宅壮一に師事していたそうで、斎藤隆夫の評伝なども記した人。本書もかなり偏りを排した筆致と思う。2020/08/31
kiiseegen
3
再読。2024/10/31
シンミチ
0
特攻を送った側の真意は何であったのか。当人が何も弁解もまして解説などしたわけではないので、正確なことは分からない。もしかしたら、分からないままでいいのかもしれない。統率の外道とは、まさにその通りで、それ以下でも以上でもない。特攻は間違いなく最悪の戦術であり、絶対に繰り返されてはならない。特攻を実行した時点で、軍隊として終わっている。だって「統率の外道」なことなのだから。特攻を送った側は自ら納得して死を選べたが、隊員は違う。特攻が非難されても特攻に行った側が非難されることなどあってはならない。2020/10/11