ハルキ文庫<br> 紙の月

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ハルキ文庫
紙の月

  • 著者名:角田光代【著】
  • 価格 ¥649(本体¥590)
  • 角川春樹事務所(2020/08発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784758438452

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内容説明

ただ好きで、ただ会いたいだけだった――わかば銀行の支店から一億円が横領された。容疑者は、梅澤梨花41歳。25歳で結婚し専業主婦となったが、子どもには恵まれず、銀行でパート勤めを始めた。真面目な働きぶりで契約社員になった梨花。そんなある日、顧客の孫である大学生の光太に出会うのだった……。あまりにもスリリングで、狂おしいまでに切実な、傑作長篇小説。各紙誌でも大絶賛された、第25回柴田錬三郎賞受賞作、待望の文庫化。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

青乃108号

486
宮沢りえ主演の映画は妻と劇場で観た。あれからもう12年にもなるのか。それにしても今回読んだ原作小説は記憶に残っている映画版と随分違う気がした。映画版のストーリーを検索してみるとおおよそ原作通りだったようで相変わらずのポンコツだ、俺の記憶力は。小説では梅沢梨花のメインストーリーの他3人の物語が並走するが、要らなかった。メインストーリー1本で堂々と走り切って、梨花には逃げて逃げて逃げまくって欲しかった。俺は失業保険で食いつないでいる身なので一切の贅沢はしていないのだけど、パアッと散財してみたくもなった。 2026/08/14

mura_ユル活動

408
読ませる女性心理。ストーリーも時系的に飛びすぎることはなく、登場人物数も適度のため、個人的に合う作風の一人、角田さんの小説2冊目。最初は小さな過ちかもしれない。エスカレート、その傷口が広がっていく。お金が絡むので、常に支配・束縛の重い雰囲気のまま終了。読んでいるときに深く考えてしまうこと、それも彼女の小説の特徴の一つ。人の足りない部分に常に焦点をあててしまう人たち。そして孤独。両親がしてくれたことを子供にしてあげれないもどかしさ。贅沢というものよりも一緒に過ごすことも豊かさ。足るを知るということ。2016/12/10

takaC

391
宮沢りえの映画はまだ観てません。原田知世のドラマを観てから単行本も読んで小説に軍配と評価していましたが、改めて通し読みしてみると視点がころころ変わる構造は結構読みにくいという事に気付いた。でも読後の余韻はこの話ならでは。2014/10/05

エドワード

389
女も男もプライドのかたまりだ。女のプライドは女に向けられる。典型的なのが同窓会の場面。服装を、配偶者を、子供を比べる。そして買い物の場面。決して値札を見ない。プライドが許さない。属性によって気分が上昇下降を繰り返す。消費は記号。日本の小売業はまさに気分を売っている。男のプライドは経済力だ。梨花の夫は、彼女が贈り物をするたびに、それを上回るお返しをすることでプライドを保つ。梨花の恋人も彼女に全てを把握されることを拒んで去る。お金は魔物。少女たちの心をも変えていく。今、梨花はどこにいるのか。永遠の謎だ。2014/09/21

さてさて

388
梨花を含めて複数の人物視点で描かれるこの作品では一番の主役である梨花について、普通のOLだった彼女が、いかにして堕ちていくかがとてもリアルに描かれていました。“ほんのできごころ”で始まった一つの犯罪行為が、加速度をつけて突き進んでいく。『だれかが見つけないかぎり、その日々に終わりはないのだろう』と梨花が感じる、自分自身ではもうどうにも止められない犯罪行為の連鎖。『お金』というものの恐ろしさと、それを前にした時の人の心の弱さを改めて垣間見た、思った以上に深く、読み応えのある、そんな作品でした。2020/09/27

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