- ホーム
- > 電子書籍
- > コミック(少女/レディース)
内容説明
小学校教師の綾乃と、ダイニングバー店員の朱里は初対面ながら意気投合し、惹かれあう。綾乃は、「人妻」の身で朱里への恋に踏み出すこともできず、朱里を忘れることもできず、後ろめたさを抱えたまま夫の家族と同居を始める。そして、少女時代に同性の友人に抱いた初恋をこれまで封印していたことに気づく。一方、朱里は未来のない綾乃との恋はあきらめたほうがいいと自分に言い聞かせる。美容師に復職し心機一転、引っ越しをしたところ、新居のアパートが綾乃の家の向かいで……。運命のいたずらで“ご近所さん”になってしまった二人。踏みとどまったはずの恋が動き始め、周囲に波紋を広げていく――。胸騒ぎが高まる、大人百合!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう
32
社会派百合マンガ。というとなんだか仰々しいのだが、「萌」や「エモい」で消費されないノイズがきちんと入るところが、いつも絶妙だなと志村貴子の作品を読むと思う。絵にノイズが少なく、女の子も男の子も、完膚なきまでに可愛いからこそ余計に。描かれているのはどうしようもなく恋な感じなのに、「お茶の間」「朝のゴミ出し」「地域の運動会」果ては「不倫相手の家族問題」といった物語空間が、恋の舞台に選ばれるのだ。不思議だ。志村さんの作品は、作品に内在している権力構造のあり方が、独特なのではないかなと思う。2020/11/06
ぐうぐう
21
関係を解消するために引っ越した二人がご近所になってしまうという偶然は、あまりにも漫画的なのだけれど、それもアリかもと思わせてしまうのがこの作品の不思議な好感なのだ。そこで二人の恋情が再燃するのは必然として、朱里が綾乃の夫と仲良くなったり、夫の妹で引きもりの恵利とも親しくなっていく流れは、作者によっては意地悪な展開と取られがちなところを、これが志村貴子だと、これまた愉快な含みがそこからは感じられ、でもそれは作者の好感よりかは、うまさなのだと思う。2020/08/29
ソラ
18
関係解消のために引っ越したのにまさかのご近所になってしまい、そして何故か夫と仲良くなってしまうとか混沌としてきたな。志村貴子さんらしいなと。2020/10/25
ぐりとぐら
15
ご近所になって、家族と交流して、え?何?どうなってんの?って、混乱。2022/09/18
聲
9
いまどきという言葉が適切かはわからないけど、恋人とか不倫相手とか元カノとか、そういう名前のつかない人間関係を続けてしまう心理というのが、いまどきだなあって思う。昔もあったかもしれないけど、それがこうして物語になるのは面白いと思う。百合に現代性を描いた漫画だ。志村先生は相変わらず、そういう複雑な人間関係を描かせたら一流ですね。むしろ磨きがかかったというか、スマートになったというか。2020/10/31