文春文庫<br> ガーデン

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紙書籍版価格 ¥693
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文春文庫
ガーデン

  • 著者名:千早茜【著】
  • 価格 ¥690(本体¥628)
  • 文藝春秋(2020/08発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784167915407

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内容説明

放っておいて欲しい。それが僕が他人に求める唯一のこと――

ファッション誌編集者の羽野は、花と緑を偏愛する独身男性。帰国子女だが、そのことをことさらに言われるのを嫌い、隠している。女性にはもてはやされるが、深い関係を築くことはない。

羽野と、彼をとりまく女性たちとの関係性を描きながら、著者がテーマとしてきた「異質」であることに正面から取り組んだ意欲作。

匂い立つ植物の描写、そして、それぞれに異なる顔を見せる女性たち。美しく強き生物に囲まれた主人公は、どのような人生を選び取るのか――。

※この電子書籍は2017年5月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

84
物足りぬと言えば物足りぬ。ても、そんな男を描きたかったのかとも思う。植物が好きな、というか想いを寄せる主人公に匂い・音・生命を五感を使って感じさせて語らせる。もう一味欲しいと言えばそうとも言えるし、これはこれで良いとも言える、僕にとっては不思議な作品だった。2020/11/01

rui

39
創られた自然に名前を付けるとしたら? 手入れの行き届いた植物と誰の手にも触れられていない自然。どちらがどうとか比べるものではなく見る者によってその気配や美しさは異なる。この主人公は呆れるほど臆病。屁理屈を掻き出しながら自分が傷つかないように、自分が痛まないように、そればかり。目をそらしてきた自分の顔は輝かしい水面にどう映るのかな。2021/06/25

きなこ

37
主人公は、幼少期に過ごした発展途上国の、外界と切り離された安全な庭からいつまでも出られなくなったように見える。理解や共感には限界があると人と深く接点を持とうとしない、人を見下すような態度の彼を好きになれなかったな。彼に関わる女性たちの生々しさが、彼の無機質さをより強調しているようでした。とはいえ鬱蒼とむせ返るような緑の描写や、それを偏愛する主人公の心理描写に読まされました。自己肯定は自分でしなきゃ、という考えが少し寂しい。彼が自分の庭を壊して出ていくのか、何も求めず庭に留まり続けるのか、気になります。2021/04/30

楽駿

33
品川図書館本。人と人との繋がりは、自分自身の心を揺らめかすので、何処か一線をおいてつきあおうとしている羽野。傷つくのなら、むしろ深入りせずに、適度な距離で全てを受け入れていく方がまし。けれど、それって、誰も受け入れていないって事、気がついたのかな?植物は、文句も言わない。与えたお世話の分だけ、美しい花を咲かせる。ドキリとしたのは、犬や猫も一緒かな?愛した以上に愛情を返してくれる動物たち。きちんと言葉で伝える手段があるのが人。だからこそ、面倒くさい人間関係も、言葉をきちんと紡げば、伝えようがあるのかも。2020/12/17

よっさん

25
一人が好きな人はいる。他人の煩わしい部分が見えるくらいなら、寂しさは少し我慢して、一人でいる方がマシだと思う人だ。主人公の羽野は、そんな人間のように思える。寂しさを紛らす為に、彼の部屋には無数の植物達が「飼育」されている。植物達は生きる為に、羽野に要望をしてくるが、彼はそれに応えることで、生命の欲望を支配している。手に負える程度の欲望だ。結局自分だけを好きな幼い人間に映る。人の気持ちに応えること。究極は、人の喜びが自分の喜びになること。それこそが生きる価値じゃないかと思うが、彼は最後に気づけたのだろうか…2020/12/03

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