内容説明
わが国最初の正史。720年(養老4年)5月、舎人親王らが完成させた。神代から持統天皇の代までを漢文で編年体で記す。30巻。添えられた系図一巻は散逸。六国史の第一で、『日本紀』とも呼ばれ、『古事記』と併せて「記紀」という。しかし編集に使われた資料は『古事記』のように特定の帝紀や旧辞だけでなく、諸氏や地方の伝承、寺院の縁起、朝鮮や中国の歴史書なども参照している。
下巻は、継体天皇(巻第十七)~持統天皇(巻第三十)を収録。六世紀から七世紀にいたる時代。中国・朝鮮半島からの制度・文物の流入により、天皇を中心とした国家的統一が完成する。
巻末寄稿・『日本書紀』と史実とのあいだ 大津 透
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ワッピー
21
下巻に突入し、目的の帝紀までよろよろ読進。半島情勢、位階制度、神事のこと、たまに挟まる天災や怪事の記事を探しながら読む。歴史天文に詳しい方なら、けっこう気になる日食や彗星の話もあり。白い動物を帝に奉ると瑞兆として、それを献上した郡が免税になるということで、各地から白い動物が献上された記事が多いのか。通読してみて遷都の多さには驚きました。鼠の群の大移動、あるいは虫群の移動も散見され、それがリアルなものなのか、何かの暗喩なのかと妄想することも楽しい。ようやく通読ができたので、次は目的の時代の資料を探します。2023/06/30
はちめ
8
とりあえず2種目の日本書紀終了。今後も日本書紀を読み進めたいが、古事記と比べると圧倒的に解説書が少ない。専門書はあるのかもしれないが、新書クラスの一般書は本当に少ない。解説書なしに理解を深めるのは難しそうだし、来月からカルチャースクールで日本書紀の講義を聞くことにしている。☆☆☆☆★2022/09/17
Hiroshi
7
下巻は、継体から持統まで。継体から崇峻までが6世紀だ。天皇の実在性や系譜関係はほぼ書紀の記述は信じられる。ただ継体のあと安閑・宣化・欽明が相次いで即位したとの書紀の記述に対して、継体崩御後に欽明が直ぐに即位し、2年後にそれに反対する勢力が安閑・宣化朝を立て、5年ほど2つの朝廷が並立し、宣化の崩御により欽明朝に統一された見解も有力だと。武烈以後は説話的記事が無くなる。継体期は朝鮮半島の状況の記述が多い。欽明以後は、蘇我氏と物部氏との対立、物部守屋の滅亡、蘇我馬子による崇峻の暗殺が仏教信仰の巡る抗争がからむ。2020/12/24
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
5
・下巻は上巻のようなスキャンダル的な叙述は減るものの、歴史ミステリー的な記事が多々あり、妄想を刺激して止まない。ほとんどが『古事記』にない叙述であり、その意味でも必読。 ・継体紀…「応神の五世の孫」+「母は垂仁の七世の孫」+「系図は不記載」+「記事に朝鮮半島関係が多い」+「大和に入るのに二十年かかった」これに加えて、「没年を『百済本紀』によって記した。しかもその記事には「この頃、日本の天皇・太子・皇子、皆死んでしまった」とある」って…「継体紀以降は信用できる」って?????????? →続く2021/02/12
ちぃ
4
現代語訳。エピソード多彩。2024/03/22