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内容説明
『アベノミクスによろしく』で「アベノミクスの大失敗」を早くから指摘した著者が、公的データを基に通貨と税金の仕組みを、対話形式でわかりやすく解説。<現在、国と地方を合わせた国債発行額は約1100兆円(GDPの2倍超)。><2018年から2025年までの間に、日本の生産年齢人口は345万7000人も減少(第二次世界大戦の日本の犠牲者数<約310万人>を超える人数)。><経済は縮むが、社会保障費は増え続ける。><「MMT(現代貨幣理論)」はどこが間違っているのか。>迫り来る国債の大暴落や急激な円安、そして極端なインフレといった厳しく困難な日本の未来を明らかにし、その処方箋を知ることができる入門書的一冊。今話題のMMTを完全否定し、これからの「税のあり方」を示す。
目次
はじめに
第1章 「通貨」と「交換」
第2章 硬貨と紙幣の歴史
第3章 借金で通貨が増えていく
第4章 国債と通貨の関係
第5章 アベノミクスが円を殺す
第6章 税金が通貨の信用を支えている
第7章 ここまでのまとめ
第8章 松尾教授との議論について
おわりに
主要参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大先生
10
半分くらいは前著「データが語る日本財政の未来」と重複している印象です。ただ本書では、著者が「財政あきらめ論者」であることが明かされています。日本の財政再建は絶対不可能なので増税も緊縮も不要であると(苦笑)いつか国債と円が暴落し極端なインフレが起きるのは不可避だということですね。そして、破綻後は同じ轍を踏まぬよう、しっかり増税して身の丈に合った経済規模でやっていくべきだと考えているようです。なお、MMTは簡単にインフレを抑えることができると思い込んで、歴史に学んでいないそうです(汗)。2021/08/09
バーバラ
9
明石先生の本は今回もわかりやすい。経済に疎く数字に弱い私には助かる。前半の通貨制度の仕組みもためになったが、やはり後半の税金の話がとても納得できて面白かった。「消費税は消費するたびに払わされる罰金」などという刺激的な言葉に喝采する向きもあるがそうではないことは本書を読めばよくわかる。ただ減税をよしとするのではなく適正な税の使途こそ求めるべきだ。税金とはみんなで出し合い、支え合うものと認識すべきで、それができなければ憎み合い、嫉妬し合い、弱者を見捨てる冷たい「自己責任国家」になるという結びの言葉に深く共感。2020/07/13
紅咲文庫
8
今回の給付金ってどうやって捻出するんだ、給付した後どうやって回収するんだ、とか漠とした疑問から読んだ本。難しいけど極限までわかりやすく説明してくれていることは理解できる。税収を超える予算を立てちゃダメなんだよね、そうだよね。税率上げるしかないよね、使っちゃってるんだもん。ドイツがあんなに迅速に給付金を出せたのもこれまで借金の積み上げしてないからだという事で納得(この本に書いてある事じゃないけど)。税負担に関する日本人の認識は必ず変えないといけない。 国は私企業ではない、自分たち自身の互助会なのだ。 2020/05/17
feodor
5
通貨がどのような過程で形成されてきたのかを日本の通史的に触れて、その中で現代の「管理通貨」の仕組みが大事だったのだけれども、感覚的にうまく入ってこなくて、そのためにすんなりと理解できた感じはなかった。ただ、現代社会の課税面の問題から消費税等の付加価値税以外に税収として確たるものがないこと、「異次元の金融緩和」が国債の金利管理という点では危険度の高いものであること(ここはこの本を読む前から何となくは理解していた)、そして増税を避けて社会保障を国債に依存していくことの危険性、というあたりは理解ができた。2020/05/27
訪問者
4
何故タイトルがカタカナなのかは不明。日本財政破綻派(私流の区分け)の方である。色々と読んできたが、この筆者の言うことが正論かな。財政再建は不可能で急激なインフレが起きるという主張である。コロナ対策での国債増発がその引き金になるのだろうか?幸い今は世界各国が同じような政策を取っているために円安にはなっていないのだが。2020/06/12