内容説明
「いままでで一番多く足を踏み入れた店は本屋、次がスーパーマーケット、三番めは居酒屋だと思う。なんだか彩りに欠ける人生ではある」。春夏秋冬、いつでもどこでも本を読む。居酒屋のカウンターで雨蛙と遭遇したかと思えば、ふらりとでかけた川岸で、釣竿の番を頼まれもする。まごまごしつつも発見と喜びにみちた明け暮れを綴る、深呼吸のようにゆったりとしたエッセイ集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
312
いったいプロの作家はどれくらい他の作家の作品を読むものなのだろうか。村上春樹はフィッツジェラルドをはじめとしたアメリカの20世紀小説を読み、翻訳も試みている。小川洋子にも、未読だが本に関するエッセイ集があったようだ。さて、本書では川上弘美の読書体験が随所で披露される。総じて言えば、やや軽めの、ただし一風変わった視点のものが多いようだ。そして、それはそのまま川上弘美自身の作品にもあてはまる。エッセイでも飄飄とした味わいは存分に堪能できるし、末尾の詩のような1篇「ゆっくりと」は、しみじみとした味わいを伝える。2012/10/15
❁かな❁
182
川上弘美さんの作品を読むのは17作目。エッセイは初めて。色んな新聞や雑誌に連載された文章を集めたとのこと。ゆるゆると日常が綴られ川上弘美さんのお人柄がよくわかり、まごまごした感じが可愛くて素敵!西加奈子さんのエッセイにも登場した『檀流クッキング』気になるー!オクラのおろし和えやスパナポ食べたい気持ちもわかる*教師をされていた頃のエピソードも川上さんらしい♪漫画もお好きで高身長なのもわかり嬉しい♡「どんな別れもさみしくなる。難儀です。〜難儀もまたよろし、ですね」タイトルも素敵!やっぱりこの空気感好きだなぁ♡2018/10/20
ゴンゾウ@新潮部
110
川上弘美さんのエッセイを初めて読んだ。エッセイになってもふわふわとした空気感は変わらなかった。毎度思うのだがこの感触がとてもとても心地よい。読書量の多さと幅広さ そして感受性の豊かさに驚いた。そして川上さんが日常を無理せず背伸びせず大切に過ごしていることにとても共感しました。2018/06/03
masa@レビューお休み中
103
川上さんのエッセイはゆるい。でもこのゆるさがいいんですよね。ダメな自分も大丈夫って言ってもらえているような、そんな気持ちにさせられるんですよね。子どもの頃に想像だけで、しょうがパンを作る川上さん。見ず知らずの男性にビールをあげる川上さん。道に落ちているものを拾ってくる川上さん。まだまだ、これはすごいと思う出来事が書かれているが、未読の方の楽しみを奪ってしまうのでこの辺でやめておこうと思う。僕なら知らない人にビールはあげないし、道ばたのものも拾わない。うんうん、まだ大丈夫。そんなことを思いながら本を閉じた。2017/03/06
あんこ
60
川上さんの文章が好きだ。川上さんがよく使う「おかしみ」や「まごまごした感じ」という言葉が好きだ。少しぼんやりとした川上さんの日常の「おかしみ」を掬い取って眺めていると、こちらも次第にぼんやりとしてきて、うっすらと笑いながら読み終える。川上さんのエッセイを読むといつもちょうどよく眠気を誘われるような、銭湯に入った後のような落ち着きを取り戻せる。(わたしも「スパゲッティ」という響きが好きです)2014/04/05
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