内容説明
本当に愛することの困難になった若者……現代の若い女性のあやうい愛を描いた短篇集――亡くなった父への憧憬、同性としての母との確執、望まない形での妊娠、男友だちとの別れ……。大人への入り口にさしかかった若い女性の初々しくもあやうい愛の姿と、きらきらと輝く夏の光にも似た青春の内省の世界を、みずみずしい感性と研ぎすまされた文体で描く、著者2冊めの短編集。表題作ほか4編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりん
2
短編集。どの作品も女性目線の話で、心理が繊細に描かれている。2025/03/02
denden
0
表題作他、81~83年にかけて雑誌に発表された短編5作の合冊。いずれも主人公は女性、無理のない設定で繊細な女性の心理と機微を読ませる作者の手腕の見事さが印象的。中でも「手のひらの桃」は中絶を巡る若い女性の心理描写が描かれ、印象的な作品。表題作「ひとりでいるよ 一羽の鳥が」は亡き父が残した鳥とそれを巡る父と娘と、その生きたかを巡る1作で、これも秀逸な作品だ。全5作、それぞれ素晴らしい出来の秀作ぞろいだ。2015/10/17
丰
0
Y-202006/10/17