内容説明
大人気シリーズ「RDGレッドデータガール」の著者荻原規子が自らの”ファンタジーのDNA”を育んだ名作を紹介。『赤毛のアン』の日常と『枕草子』の宮廷生活、どちらの描き方にも共通するものとは? 古代中国を思わせる小野不由美の「十二国記」に西洋の児童文学を想起するのはなぜか。実は青春恋愛譚として読める佐藤さとるのコロボックル物語、『だれも知らない小さな国』。六百枚を超えたデビュー作『空色勾玉』のエピソードなど、読書の幸福が溢れるブックガイドとしても読める名エッセイ集。酒井駒子描きおろしのカバーも必見!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
125
児童文学やファンタジー作家である著者のエッセイ。幼い頃からの読書体験談やファンタジーに関して思う事、嗜好などを丁寧に綴っており、著者のその世界への深い気持ちが伝わってくる。それに感化されるように紹介されていた多くの本を読みたくなり、それらのジャンルがより身近に感じられるようになった。読んでいて興味深かったのは、ファンタジーこそは領域を超えたものを結び付けて成り立っている創作だという言葉。神話と現実、魔法と科学、幻想的なようで自在に現実との結びつきを描ける世界。その魅力をもっと味わってみたいと思った。2020/09/03
アキ
94
表紙の酒井駒子のイラストに誘われて、萩原規子初読みです。ファンタジー作家で「RDGレッドデータガール」シリーズもカバーイラストは酒井駒子さんです。このエッセイが書かれた2006年頃はハリー・ポッターや指輪物語の映画化があり、ファンタジーの翻訳ブームが起きた頃でした。著者にとってファンタジーとは冒険談だと述べており、神話、伝説、昔話など伝承の共通基盤が創作には必須とあります。読者としては人物とストーリーと世界が一体になって味わう価値のある作品になるとのこと。2006年映画「ライオンと魔女」を見てみようかな。2022/02/22
Die-Go
61
図書館本。荻原規子さんの視点からのファンタジー読本。著者の本は初読。ファンタジーへの愛を感じる内容。特に「ナルニア国物語」への偏愛とも取れる記述には大いに共感した。★★★★☆2022/03/20
優希
42
ファンタジーのDNAが伝わってくるようでした。ファンタジックな物語に関わるとき、幸福を味わっているのかもしれませんね。RDGを読んでみたくなりました。2024/02/05
ダージリン
42
ファンタジーへの神話の影響とか、人は世界とのつながりを感じるためにファンタジーを必要とするなど、考察が深くて興味深かった。もちろん子供の頃からの読書遍歴やタイトルは知ってても読んでない本の紹介とか、とても面白くて読みたい本が増えますね〜(笑)。2020/09/06