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内容説明
賢治には未来が見えていた――。『雨ニモマケズ』『注文の多い料理店』などの作品で知られる宮沢賢治は生誕から120年以上が経った現在でも多くの人に愛され、影響を与え続けている。賢治は37年という短い生涯で膨大な量の作品を遺したが、本書では『銀河鉄道の夜』をテーマに賢治の宇宙観に迫る。このユニークな童話はどのように構想されたのか。賢治は宇宙に何を見ていたのか。天文学者によるこれまでにないアプローチ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
74
宮沢賢治の熱心な読者ではなく『銀河鉄道の夜』も純粋なファンタジーと思っていたが、あの短い作中に当時としては最新の宇宙に関する知見が詰め込まれていたとは。それらを直接並べ立てるのでなく、賢治が十分に咀嚼した上でさりげなく文学的に表現されるので自分みたいな不注意な読者はあっさり読み過ごしてしまう。岩手の一農学校教師がこれほど膨大な知識を本当に吸収していたのか疑問は残るが、多くの人を引きつけてやまない魅力の源泉なのか。これまで賢治の作品は文庫本で通読してきた程度だったが、改めて系統的に読み直すべきかもしれない。2021/05/08
やいっち
72
「『銀河鉄道の夜』をテーマに賢治の宇宙観に迫る。このユニークな童話はどのように構想されたのか。賢治は宇宙に何を見ていたのか。天文学者による、これまでにないアプローチ」というもの。科学者の視点からの賢治作品分析の本は過去少なからず出ている。現役の天文学者の知見による『銀河鉄道の夜』解析は実に面白かった。賢治が生存当時知りうる天文学の知識に違わないのはもちろんだが、時に現今の銀河像を先取りしているのではと思える記述も見受けられるとか。2020/08/24
へくとぱすかる
67
「銀河鉄道の夜」の天文学的解説というよりは、天文や気象についての知見を、作品の流れに沿って広くまとめた感がある。ディテールを最新の知識で再解釈した点が興味深い。宇宙と無関係なために、「活版所」についてはスキップしている。本の目的からはやむを得ないが惜しい。発破・天の川の水などの考察が鋭い。定説のない「天気輪の柱」については、やはり現象ではなく、何らかの建築・施設と考えたい。寺門説を紹介して、緯度観測所の望遠鏡に触発されたというのが、案外的を射ている気がする。賢治の時代を十分に時代考証する必要があるだろう。2020/09/05
aloha0307
25
北十字(白鳥座)から南十字星🌌まで、銀河鉄道の夜 は死出の旅の物語なのだね。本書📕の天文学からのアプローチは他にない切り口 賢治が天の川銀河を静かな世界・空間としてではなく、動的で片時も留まっていないものとみていました。また、銀河は秋の季語…意外だなあ🌊2021/04/15
Kikuyo
25
純粋にサイエンスから読取っていく試みは私にはとても興味深い。まだまだ宇宙を正しく理解していない時代、賢治は当時の最先端の科学的知識を駆使していた。 ジョバンニの学校の先生の授業は、現在の銀河系のモデルをとても正確に言い表していたのだ。 たくさんの美しい天体写真と天文学者さんのならではの切り口とがと「銀河鉄道」の良いガイドになっている。賢治には正しい科学的知識こそイマジネーションの源となるんだろうな。2020/08/23
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