ブルーバックス ５Ｇ 大容量・低遅延・多接続のしくみ

著者名：岡嶋裕史【著】

講談社（2020/07発売）

• ISBN：9784065204955

内容説明

「5Gは何が新しいのでしょうか？

いまどきCPUの世代が変わったからパソコンを買い換えようと思う人はけっこうなマニアで、仕事に支障が出なければ壊れるまで使い続ける人も多いでしょう。

スマートフォンでも、多くの人は“伝送速度が速くなっても関係ない”と同じ機種を今の回線のまま使い続けるようになるのでしょうか」（本書より）

【伝送速度→下りで20Gbps、上りで10Gbps】
【待ち時間→1ミリ秒】
【接続密度→1平方キロメートルあたり、1000000台】

このように規格を定められた「5G」。いよいよ本格的にサービスが開始されるが、その本領は「伝送速度」にあるのではない。
残りの2つ「待ち時間」「接続密度」にある。
5Gが4Gと根本的に異なるのは、タイムロスなく無数の端末に接続できることで、「移動通信システムをスマートフォン以外のものへ解放する役割」を持っているということなのだ。

スマートフォンを超え、自動運転システムをはじめとするあらゆる設備に、遅延なく大容量の通信ができる――。
どうしてそのようなことが可能になったのか。
「そもそも携帯電話がつながる理由」からはじめ、通信技術の本質がわかるよう、平易に解説する決定版。

目次

第0章　「電波」とはなんだろう
第1章　携帯電話がつながるしくみ
第2章　携帯電話の「世代」とは何なのか
第3章　3G――国際標準規格が採用されたけど
第4章　4G――スマホの普及にシステムの進化が追いつかない
第5章　5G――移動通信システムの「解放」
第6章　その先にあるリスク
〈コラム〉　電波が「強い」とはどういうことか／積極的なタイプはすぐ乗り換える？／「すりーじー」の謎／WiMAXとラストワンマイル問題／6Gに必要な7つめの条件／「移動」が贅沢品になる世界へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[KAZOO]

５Gになるとどのようになるのかをわかりやすく解説してくれます。わたしはスマホを使用しないのでそこのところはあまりよくわからないのですが、かなり便利であるという気はします。ある地域、ある企業内だけでの通信システムの構築も可能でうまく利用すれば、今後利用場面が数多く増えていくという感じです。最初のころからの歴史もあるのでどのように変わってきたかもよくわかります。私などは高齢化社会への対応と地方創生にかなり期待できるのではないかと思いました。

2023/12/24

[lily]

iPhone6から12miniに機種変したことを機に。確かに5Gは速い、快適！だが、基地局のアンテナが目視できる範囲でないと通信できないことがデメリット。回線が不安定になったことも。5Gは個人よりも高速大容量な通信技術による企業側のメリットが大きい。遠隔作業による環境負荷の削減、感染症に強い社会も可能な一方でトリリオンセンサーのような監視網の密度と精度も桁違いに。中国のように個人の信頼度が点数化される時代もくるのかな？

2021/02/17

[寝落ち６段]

５Gってすごいんだという漠然とした印象しかなかったが、どれほどまでの革新的な技術なのか勉強になった。５Gが何かというよりも、どうして通信ができるのかという根本的な部分から丁寧に解説されているため、非常にわかりやすい内容だ。２０年前の携帯電話やコンピュータがここまで発展したのかと技術の最前線の人たちに頭が下がる思いだ。便利な反面、課題もある。情報を得やすいということは、知られやすいということ。良さばかりを語るだけではなく、高度情報化社会の歪みも語られており、利用者の我々も安直に喜ぶだけではいけないと思った。

2021/07/27

[月をみるもの]

これまで一度も自前の端末というものを持たずに生きてきたため、携帯電話の歴史にもまったく関心を持ってなかった。しかし、この本を読んでるうちに、なるほどこういうことだったのね、、、と膝をたたくことしばしば。そう、当たり前なんだけど、結局は基地局までの無線＋有線バックエンド（〜ほぼインターネット）なんだよね。残念ながらこのままいくと、5G 以降が津々浦々に届く未来はやってこず、Local 5G + Starlink になるんだろうな。。。日本のキャリアもトヨタみたいに裏でちゃんと対応してる、、、、、のかな。。

2021/12/17

[Satoshi]

5Gについての基本的な知識を得たいと思い、購入した。無線通信が１Gから発展していく過程から電波の基礎や波形変換、コアネットワークまで記載されており、とても有益な本であった。

2023/04/03