講談社文庫<br> 長屋王横死事件

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講談社文庫
長屋王横死事件

  • 著者名:豊田有恒【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2020/07発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062633345

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内容説明

奴(やっこ)の名は、大伴小虫。10歳のときから長屋王に仕えてきた。そして今、すべての真実を明かそう……。天武天皇の孫で、聖武天皇即位とともに左大臣となった長屋王は、729年に密告が原因で自害した。だが、藤原氏の陰謀とされるこの「長屋王の変」に、真の黒幕が存在した! 歴史の闇に迫る古代史ミステリー。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hrmt

5
永井路子「美貌の女帝」と杉本苑子「穢土荘厳」と読み比べ。歴史の概略は当然変わらないのだけど、最終章の長屋王の変の真相についてはう〜ん(-。-;という感じ。何れにしても、その真実は遠く深い闇の中だけに想像はどこまでも膨らむ。2014/03/13

うたまる

4
いやあ、面白い。歴史物をたくさん読んできたが、飛鳥時代や奈良時代のものは少なく、たまに見つけてもほとんど資料に基づかない伝奇的なものが多かったので大満足。文体は独り語り調で、昔ながらの古文読みに戸惑うが、慣れれば当時の世界観に嵌まり楽しめる。実際の長屋王が唐土かぶれの堅物だったのか、長屋王誣告の黒幕が著者の想像通りだったのかは分からないが、「長屋王の変」を概観できただけで十分でした。著者の『崇峻天皇暗殺事件』や『大友の皇子東下り』も読みたいな。2013/05/28

餅屋

3
古代史ミステリー▲大伴小虫が、すべての真実を明かそう…。藤原氏の陰謀とされ、密告が原因で自害した「長屋王の変」に真の黒幕が存在した…▼父、高市皇子没後の零落期にも、浮世ばなれした王子さまに付き従った、家令による独白形式と言った体で始まるミステリー。持統期から始まる物語は「役の行者」や不遇時代の「藤原不比等」「行基」といった有名人に翻弄され進む。この下っ端視点は、真実の幾分を叙述できているのか…あまりにも残念感溢れるラストに眼が点⁉ミステリーに非ず、古代ロマンだったと理解すれば、とても楽しめた(1992年)2023/08/14

あおい

3
いやぁ面白かった。だけど、違和感もあるの。。。続日本紀に長屋王の元側近だった大伴子虫が部署は違えど上役の東人を囲碁中口論し斬ったとあるがそれは「東人は長屋王の事を誣告せし人なり」だから。しかしその真相は、、、に困惑したの。最期までくると子虫の語りで始まる事こそがこの小説の核であるのだと思うが、”美貌の女帝”を読んでいなければこれほど違和感を感じなかったのでは、、、にしても、長屋王を陥れた真犯人を聞き激高して東人を斬ったが、はてその後子虫は厳罰には遭っていない、となればやはり、、、男性著者の結末ならではかも2021/05/03

kmiya3192

2
奈良時代前期に起こる長屋王横死事件。この真相を従者であった大伴子虫が明らかにする。壬申の乱から持統女帝が大砲律令制定とともに亡くなり藤原不比等が実権を握る。将来天皇の名があがる長屋王。しかし元明天皇は孫の首皇子を天皇と望むこれに藤原氏がなびいた。ここに長屋王は孤立する。陸奥の乱の平定に子虫はしばらく陸奥へと行き戻ってきた子虫が見たものは長屋王包囲網であった。基皇子なが亡くなると呪詛の嫌疑、僧侶殴打事件などで遂に長屋王の屋敷が包囲され王は亡くなる。後にすべて濡れ衣であったことがわかる。2021/04/28

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