とんぼの本<br> 遊廓(とんぼの本)

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とんぼの本
遊廓(とんぼの本)

  • 著者名:渡辺豪【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • 新潮社(2020/06発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784106022944

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内容説明

※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。

遊廓に魅せられた著者が、10年にわたって渾身取材撮影した全国の遊廓跡・赤線跡およそ500箇所から厳選収載。消滅間際の、あるいはすでに消えてしまった姿を克明に伝える空前絶後の写真集にして、日本の「影」の近代遺産を記録する貴重な資料。独特の建築様式やモザイクタイル、窓飾りの細やかな意匠が見どころ。 ※当電子版はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。ご了承ください。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エドワード

34
新聞の書評で見て、とんぼの本を久しぶりに買った。21世紀になって初めてかも。かつて遊郭だった建築。瓦屋根にステンドグラス、タイルに破風。日本にしか無い、擬洋風建築。寺社建築と異なり、これらの建築は文化財ではなく、全く保護されない。消え去るのみだからこそ輝く、滅びゆく美の極致。私の住む西陣にもある。コンビニ感覚で全国に存在した、という記述に驚く。屋内に橋掛りがある。夢の世界への架け橋。竜宮城だ。もののあはれ。うつし世は夢、夜の夢こそまこと。華やかで寂しい。このような繊細な感性もまた日本らしさかも知れない。2020/07/19

Ayumi Katayama

27
先日、お気に入りさんが遊郭に関する本のレビューをあげていらっしゃった。そしたら図書館でこれを見つけた。迷わず手に取った。それは写真集で、かつて遊郭だった建物を訪い写真に焼き付けたものだ。およそ十年に渡って全国を巡った。言葉はほとんどない。頁を繰りながらかつてそこにいた人達に思いを馳せる。遊郭というのは、ともすれば忌まわしい過去としてとらえられがちである。だが、単に忌まわしいとして片付けることにはどうしても抵抗を感じる。2020/08/13

あたびー

27
そこで働いていた女性たちの哀しみの染み込んだ場所だけれども、遊郭の意匠に惹きつけられてやまない。落語で妓楼の妓夫太郎が客をひいて言う「ご愉快を願いたいのですがな」という言葉。客は女性の身体だけではなく日常を離れ愉快を尽くそうと夢の世界を求めて遊郭へ足を運んだ。そうした客の意図を汲んで綺羅を飾り他店と競いこれでもかと意趣を凝らした建物の名残を見せる建物群の写真集。それは他にはない独特のものだが、放っておけばその歴史から確実に失われていくものなのだ。崩折れている家も多くて、良くぞ間に合ってくださったと思う。2020/07/27

まりこ

21
普段、新築やリフォームの仕事をしているくせに古い建物(廃棄含む)に惹かれる。今まさに人気のモザイクタイル。ステンドグラスや窓の意匠の素晴らしさ。廃屋寸前の建物も多数掲載。忍び込んで盗んで・・いや頂戴出来ないものかしら。2020/07/26

チェアー

15
美しいかと問われれば、言葉に詰まる。 悲しいと答えたくなる。 建物には悲しみが染み付いている。 だから、単なる建築物として消費することは許されない。 歴史と人間を知るための建築物だ。 それを消すことは、歴史を消すことだ。涙を消すことだ。 だから覚えておかなければ。ここに遊郭という建物と時間があったことを。 2020/08/29

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