内容説明
過剰で派手な「縄文」と簡潔で優雅な「弥生」。2つの軸で古代から現代までの日本美術を軽やかに一気読み! なぜ独創的な絵師が美術史から締め出されたのか? 雪舟、等伯、若冲らは何がすごいのか? 日本的想像力の源流とは? 国宝、重文を含む傑作61点をオールカラーで掲載した、著者初の新書!
序 章 日本美術の逆襲
第一章 なぜ独創的な絵師が締め出されたか
第二章 「ジャパン・オリジナル」の源流を探る
第三章 「縄文」から日本美術を見る
第四章 「弥生」から日本美術を見る
第五章 いかに日本美術は進化してきたか
終 章 日本美術の底力とは何か
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
93
岡本太郎が再発見するまで、美術に於いて縄文というモノは意識されずに来たのだと思う。だって、火炎式土器や土偶の優品が見つかったのは、20世紀のお話なのだから。縄文VS弥生という切り口は面白いのだが、やや恣意的だなあと思う面もあり。古い若冲絵画オタク説を未だ出しているし。師匠の辻惟雄に怒られるのでは無いかと思った。中世から江戸、近現代、そして未来へと連綿として傑作を生み出し続ける日本美術のエネルギッシュさに驚かされるのは言うまでもない。岩佐又兵衛って絵に情念が籠もっていて苦手なんですけどねえ。六点は…2022/08/22
ホークス
42
2020年刊。侘び寂びに偏った日本美術観を問い直す。装飾、激しさ、過剰さを特徴とする縄文的な美は、火焔式土器や伊藤若冲によって最近メジャー化した。私は曾我蕭白『群仙図屏風』の醜悪スレスレの表現に惹かれる。縄文は抑圧されながら、日本美術の伏流水となってきた。一方の弥生的な美は侘び寂びに通じ、削ぎ落とす事で核心に迫っていく。千利休プロデュースの『待庵』『黒楽茶碗』は緩みを排除した抽象表現だ。日本美術は二つの美のハイブリッド。著者は、権威に依存せず自らの素の美意識を解き放てと言う。岡本太郎みたいで痺れる。2022/05/14
yyrn
25
この本はとても良い。余計なモノを削ぎ落した弥生的、侘び寂びの日本の美はもとより好きだが、縄文土偶の自由奔放さを改めて教えられ、縄文から派生していった情熱的な美の数々に当初は、ふ~ん、それが縄文的なの?と腑に落ちない場面もあったが、でもまあどちらかに分けるとすれば弥生じゃないしな、と小首をかしげながら読み進むと、どんどんその真意が分かってきた。岩佐又兵衛の「洛中洛外図屏風」は確かに縄文的だし、三越本店の巨大モニュメント、天女(はごろも)像も大阪万博の太陽の塔も間違いなく縄文DNAのなせる業(わざ)だろう。2022/07/01
でかぱんちょ
25
【図書館本】日本美術を縄文と弥生に分類して解き明かすというのはかなり強引に感じるものの、著者の日本美術に対する熱意と愛情は強く伝わってきました。これまで西洋絵画の展覧会しかほとんど行った経験がなかったので、これから著書で取り上げられた作品も機会があればぜひ観てみたくなりました。2021/11/03
tamami
19
美術についての関心は、一部を除けば「教科書で習った」域を出ない私ですが、本書の帯に、「縄文×弥生」で解き明かす、とあり購入した次第。日本美術史を彩る作品・作者を「縄文」と「弥生」という二つの視点から読み解き、作品を見る新たな手がかりを与えてくれる。「教科書」だけでは知り得ないたくさんの作品・作者が紹介されていて、目から鱗の事柄も少なくなかった。説明は非常に読みやすく、多数のカラー図版もあって、楽しく読み終えることができた。世に埋もれたままの美術作品・作者に対する著者の熱い思いを終始感じての読書だった。2020/05/02
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- 和書
- 夏の口紅 文春文庫




