NHK出版新書<br> 今ここを生きる勇気 老・病・死と向き合うための哲学講義

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NHK出版新書
今ここを生きる勇気 老・病・死と向き合うための哲学講義

  • 著者名:岸見一郎
  • 価格 ¥836(本体¥760)
  • NHK出版(2020/06発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784140886243

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内容説明

本書は、ベストセラー『嫌われる勇気』の著者のNHK文化センター講座「よく生きるための哲学」に“幻の第6回講義”を加えて再構成し、書籍化するものです。孫をもつ年齢に達した著者が、同世代の読者に向けて、「老・病・死」にまつわる自らの体験を軸に、人生の分岐点をポジティブにとらえる思考法を解説します。
 類書との大きな違いは二つ。一つは、実際の講座での語り口調を生かし、各講座後の受講生の質疑応答も付した、著者初の講義形式の本であること。もう一つは、ギリシア哲学・アドラー心理学から家族論まで、これまで著者が個別に取り上げてきたテーマを章ごとにまとめることで、いわゆる“岸見哲学”のエッセンスを本書一冊で丸わかりできる点です。
 第1講では専門のギリシア哲学を題材に、「哲学がなぜ必要なのか」「どんなときに役立つのか」について問います。そこで例に挙げられるのが、25歳のときの母親の介護体験です。母親の死の絶望感から救ってくれたのが哲学だったこと、そしてその経験が「幸福とは何か」を考えるきっかけになり、三木清の哲学に触れることで「幸福とはオリジナルなもの」であることを知り(第2講)、アドラー心理学を学ぶことで「他者は敵ではなく仲間であること(共同体感覚)」(第3講)を理解したことが語られます。
 そうして年齢を重ねた著者は50歳のときに、今度は自らが心筋梗塞で倒れ、死の淵をさまようことになります。そこからの蘇りの中で考えたテーマが「老・病・死」について(第4、5講)。老いること、病気になること、死ぬことは絶対に避けられないし、変えられない。では変えられるものは何かと問えば、それは自らの「意識」以外にはないことに思い至ります。絶望するのではなく、希望をもつこと。「どのような状況にあっても生きられるという希望があるからこそ、死という現実を前にしても人は生きられる」と著者はいいます。
 結論は、今ここに目を向け、一瞬一瞬を真剣に、丁寧に生きること。「生きているだけで素晴らしい」――そう言える「勇気」を本書から学びます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミライ

38
「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」の岸見一郎さんの新刊は、岸見さんがNHK文化センター京都教室で実施した哲学講義をまとめたもの(コロナ騒動の影響で行われることの なかった幻の講義も収録)。アドラー心理学をベースに幸せになる方法や、対人関係の悩み、死や老いや病から学ぶことだったりと哲学的な内容が語られる、とはいえ哲学書のように難解ではない。言いたいことは過去や現在に囚われることなく「今を生きよう」ということ、読み進めていくといろんな気付きもあり読んだ後元気が湧いてくる一冊だった。2020/05/20

ユカ

8
一番聞きたくなかった「今の人生が本当の人生」 ですよね…知ってた。知ってたよ。でも認めたくなかった。今は「本当の人生」のための準備期間ではない。リハビリ期間でもない。あと響いたのは誰からも嫌われてない人は自分の人生を生きていない、ということ。志らくさんも似たようなこと言ってた。全体通して実用性のあるお話ばかりだった。2020/08/02

袖崎いたる

2
タイトルに惹かれて。内容はそんなに。マルクス・アルレリウスの『自警録』からの引用はおもしろかった。というか、このお人哲学者だったんだね。てっきり心理学者かお思ってたよ。心理学者が哲学者を名乗っているのかしらけしからんと思っていたくらいなのだ。ギリシャ哲学を内容は平坦に感じた。人を幸せではなくしてしまう原因意識は幸せになるうえではよろしくなくて、目的意識にポールシフトすることが大切ですよと説く。そこまで哲学を感じる人ではないなという印象だったものの、哲学者なんやなぁと思ったよね。そこまで突っ込んた話はない。2024/08/08

peko

2
講義形式で、アドラー哲学をとても理解しやすかった。何もできなくても、何もしていなくても、「今ここに」生きているだけで誰かを幸せにし、幸せを感じる。わかるような、でもいざとなればとても難しい。2020/10/25

yucco

1
定期的に読みたくなる岸見先生の本。今回はタイトルに惹かれて手に取りました。母を10年近く前に看取り、元気でいてくれているとは言え年老いた父が気掛かりであると同時に自分自身の衰えもはっきりと自覚している最近、まだモヤモヤは残りますが、繰り返し読んで、自分の人生に起こっている「今」としっかり向き合う覚悟を身につけたいです。2025/05/05

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