ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法

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ナイトフライ 録音芸術の作法と鑑賞法

  • 著者名:冨田恵一【著】
  • 価格 ¥2,200(本体¥2,000)
  • DU BOOKS(2020/06発売)
  • ポイント 20pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784907583095

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内容説明

音楽プロデューサー・冨田恵一(冨田ラボ)による初の音楽書!
稀代のポップ・マエストロが
名盤を味わいつくす!

音楽の〈聴き方〉が変わった!と大好評。

音楽誌のみならず、「日本経済新聞」「読売新聞」などの文化面でも話題を呼んだ名著。

「本書は《The Nightfly》を題材に、20世紀の録音芸術が
どのような技術と工夫のもとに作られたのかを、
誰にでもわかるように解説した。
その豊かな芸術性を理解するヒントになれば、
これほど嬉しいことはない。」 (「はじめに」より)

「宇宙旅行に一枚だけ持っていくアルバムは?」と聞かれたら
「ドナルド・フェイゲンの『The Nightfly』」と答える。
僕にとってこの本は宇宙の真理を説いた書である――大根仁(映像ディレクター)

<目次>
はじめに 繰り返し鑑賞できる芸術作品を味わうために

序章 70年代から80年代へ Gaucho and Since Then
制作工程の変化と質感の変化
生演奏とプログラミングの真に異なる点とは何か?
個別のトラッキングによって見えづらくなった音楽的指針
80年代に新鮮だった音楽

1章 時代性と普遍性 ナイトフライ概要
《Nightfly》の持つ強度
歌詞と旋律と和声
工程が分断されないことの強み
シンプルなフォーム
和声とジャズ
なぜレコーディングは長期化するのか?
ヴォーカルの訴求力
デジタル・レコーディングの黎明期
打ち込みによるアルバム
時代性と普遍性を併せ持つ名盤

2章 効果と手法の因果関係を探る ナイトフライ各曲解説
I.G.Y. ポップであるということ
Green Flower Street SDマナーと80年代的解釈
Ruby Baby カヴァー曲の演出
Maxine なぜバラードを書いたのか?
New Frontier シングル・カット曲の意味
The Nightfly 変形ブルースをパターン認識したフェイゲン
The Goodbye Look 定形ではないフォームが絶大な効果を生む
Walk Between The Raindrops アルバムをどう終えるか?

3章 プロデューサー論 カッツに関する誤解
正しい方法論
〝プロデューサー〟という曖昧な表記

4章 エンジニア論 シャイナーとニコルズ
音のコンサルタント

5章 基準値0のコンセプト 同時代アーティストの82年、そしてナイトフライが残したもの
1982年
80sサウンド~音色と音楽語法
フェイゲンの空白
感情を伝える
《Nightfly》が与えた影響

あとがき

コラム1 なぜ音楽家はテクノロジーにまい進したのか?
コラム2 80年代を彩ったFM音源
コラム3 SDフォロワーとされるバンドたち
コラム4 ナイトフライ後のフェイゲンの特徴
付録 レコーディングの流れ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

山田太郎

47
多分これまで聞いたアルバムで好きなの3枚と聞かれたら間違いなく入ってくるアルバム。あとは、キュピット&サイケ85と残りの1枚は気分次第だけど。しかし、バンドしたことないし、技術的なこといわれてもよくわかんないので、多分半分も楽しめてないとは思うが、なんか好きだなこういう本は。ちなみに、ジャケットが最高でネクタイはめるのが好きなのはこの影響です、だから基本クールビズはせず年中ネクタイはめてたりする。2014/09/01

zirou1984

39
ドナルド・フェイゲンの1982年の名盤について、その時代背景や録音技術についての話を交えながら語りつくした一冊。ポップ・ミュージックの感覚的な心地良さについて、こんなにも明晰に論理的に必然性をもって作り上げられていたことに驚かさせられる。ディスクガイド的に表層をなぞるのでなく、音の響き、音の重なり合いにまで耳を澄ます様に誘導するその語り口は、さながら音のソムリエが見落としていた音楽の豊潤さについて教えてくれているようだ。感じることと考えることは決して相反するものではなく、こんなにも丁寧に結び付いている。2015/03/07

しゅん

13
再読。機材に対する推理に長年のプロフェッショナルを感じる。これは真似できない。プロデューサーを三つにわけているのは役に立つ整理。フェイゲンは『ナイトフライ』の後に精神不安の時期があったらしいが、富田氏がセラピーについて知見からフェイゲンを慮っているあたりが面白い。録音芸術鑑賞のスタイルを逸脱している。書いておく必要を感じたのかな。2021/06/17

Tenouji

10
Donald Fagen来日!ということで買ってみたんだが、中止になって積読。読んでみたんだが、詳細理解は難しかった。が、やっぱりプロは、音づくりの技術とニュアンスが結びついていて、ここまでイメージできるもんなんだと感心した。2018/01/23

8
影響力のあるプロデューサーによるこうした技術面、実際面をフォローした名盤解説の書籍化は本当に有り難い。音楽理論の知識やレコーディング経験がないと全てを理解するのは難しいかもしれないけれど、解説は丁寧で文字通りこのCDを聴くポイントが変わると思う。もっと早く読みたかった。2016/05/27

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