最軽量のマネジメント(サイボウズ式ブックス)

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最軽量のマネジメント(サイボウズ式ブックス)

  • 著者名:山田理
  • 価格 ¥1,540(本体¥1,400)
  • ライツ社(2020/07発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784909044211

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内容説明

2014年「ダイバーシティ経営企業100選」
2017年「HRアワード」最優秀賞
2019年「Asias Best Workplacesベストカンパニー」選出

単なるグループウェア企業にとどまらず、「チームワークあふれる社会を創る」の理念のもと、世の中にさまざまな問いを投げかけ、自社では100人100通りの働き方を実現する「サイボウズ」

働き方改革のリーディングカンパニーと呼ばれる「サイボウズ」の人事制度を築き上げた副社長、山田理の初の著書。

「残業を削減します」
「社員の満足度を上げます」
なのに、会社の業績目標は変わらない。いったい、どうやって?

形だけの働き方改革でいちばん損しているのは、 「上」と「下」の間で板挟みの中間管理職だった

部下からは「そもそも何のための改革なんですか」
上司からは「それをうまくやるのが君の仕事だろ」
「上」の意図を汲み取り、「下」に対しては納得させる。 しかも個人の成果も出しながら?

リーダーに、すべてを背負わせるのは、もうやめよう。

「こういったマネジメントをすべきだ」
「こんなリーダーが理想だ」
「マネジャーはチームでいちばん有能でなければならない」?

本書は、寄せられた過度な期待と責任から、マネジャーを解放するための本です。




〈なぜこの本を書くのか〉

国によって、働き方改革が叫ばれだしたのは2016年。
しかし、サイボウズが自ら働き方を変えようと取り組みはじめたのはそのずっとずっと前、2005年のことです。

今から20年ほど前、わたしは、まだ社員が十数名だったベンチャー時代のサイボウズへ転職しました。
そこから1年足らずで会社は上場しましたが、成果至上主義に走った会社のマネジメントは崩壊し、2005年に社員の離職率は28%にまで膨れ上がりました。
わたしは社長の青野に言いました。「もう一度、良い会社にしましょう」。

それから、副社長として、管理部門の責任者として、一人のマネジャーとして、「100人100通りの働き方」を実現するまでやってきました。
そして現在、サイボウズは単なるグループウェア会社にとどまらず、働き方改革のリーダー企業と呼ばれるまでになりました。
が、結果として、今わたしが自信をもって言えるのはこれだけです。
「マネジメントって、ホンマに難しい」
つまり、世の中でいう「理想のマネジャー」になるのは無理だった、ということです。
そういうわけで、本書は「サイボウズ流のマネジメント術をふんだんにお伝えします」といった教科書的内容ではありません。
それよりも、わたしが会社を経営し、チーム(本書ではあらゆる組織をチームと表現します)をつくっていく中で見つけた

・「こうやったらうまくいかなかった」という事実
・そして「潔くあきらめることができた」理想のマネジャー像
・結果的に「残された」マネジャーの本当の仕事

つまり、「最軽量のマネジメント」を伝えたいと思います。

この本を書く本当の理由。
それは、極論サイボウズは「マネジメントなんていらない組織が理想だ」と考えているからです。
「これからのマネジャーはどうすべきか」 という重荷ではなく
「どうすればマネジャーの仕事を減らせるのか」という軽やかさを示したい。

目次

〈目次抜粋〉

【はじめに】どうすれば、マネジャーの仕事を減らせるのか?

・「多様性」の影で生まれたのは「世代間のギャップ」
・働き方改革でいちばん損しているのはマネジャーです
・サイボウズは人が人を管理することをあきらめた
・マネジャーは完璧じゃなくていい。「理想のマネジャー像」なんていらないetc..

【第1章】サイボウズが捨てたマネジメントに関する6つの「理想」

1マネジャーは「地位」ではなく「役割」である
2必要なのは「スキル」ではなく情報を公開する「覚悟」
3「自分が神」になる必要はない。「だれが何のプロ」か知っておくだけでいい
4組織図は「ピラミッド型」から「キャンプファイヤー型」へ
5「100%の忠誠心」なんて求めない「100通りの距離感」を受け入れる
6目指すのは「ホワイト企業」より「透明な企業」etc..

【第2章】離職率28%から4%までの道のり サイボウズがうまくいかなかったときのこと

・十数年前、サイボウズはとてつもないブラック企業だった
・「成長成長成長」「スピードスピードスピード」「倍倍倍」のベンチャー時代
・悪魔の成果至上主義「Up or Out」
・業績は問題の「隠れ蓑」になる。でも頭打ちになったらどうするのかetc..

【第3章】みんなの考えていることが見えなくなったときこそ「ザツダン」

・本当の「事実」と個人の「解釈」を浮かび上がらせるには?
・「みんな」なんて存在しなかった
・たどり着いたのは「100人100通りの自立」
・チームが「おかしいとき」って情報が「共有されていないとき」etc..

【第4章】最軽量マネジメントは「情報の徹底公開」たったひとつ

・団体戦に、マネジャーの「地位」や「権威」はじゃま
・「どこに泊ったか」まで公開されていれば経費の不正は起こらない
・アホはええけどウソはあかん。「性悪説」から「性善説」へ
・「任せる」と「放任」の違いetc..

【第5章】だいたいの問題は「説明責任」と「質問責任」で解決する

・マネジャーには「説明責任」メンバーには同等の「質問責任」がある
・みんなが見ているところで尋ねる。みんなが見ているところで答える
・「おかしい」と言える自立は、いつかマネジャーとチームを楽にする
・課題は日の当たるところに置く。一人で抱え込んでいると腐るetc..

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Yuma Usui

34
マネジャーへの期待や仕事を減らし組織の効率を上げることで離職率28%→4%を実現した方法の紹介。トップダウンの役割によるピラミッド型の組織から100人100通りの役割によるキャンプファイヤー型の組織に移行し社員の働きやすさの向上と増収増益を達成している。社員に100%の忠誠心を求めず100通りの距離感があることを認め、どのような時間や曜日で働きたいか社員が自由に宣言して働くことができる。社員の自由な働き方を背景に会社の収益が向上できることを示した良い事例だと思う。2020/07/18

ステビア

19
ブラック企業からの脱却。情報公開。面白かった2024/11/07

Sakie

17
山田氏サイドから見たサイボウズ。『組織図はピラミッド型からキャンプファイヤー型へ』が印象的だ。知識や経験の多寡はあれ、役職はもはや役割でしかない。今まで伏せていた情報を社員に公開するとき、私は胃がずんと重くなる。つい後回しにしたくなる。隠すよりも公開するほうが覚悟は要る。しかし会社を透明にし、"未来の可能性"を拓く為と勇気を貰った。情報は『メンバーにすべてを伝える必要も、自分が理解する必要もありません。情報にアクセスできるようにしておくだけ』でいい。社員が知りたくなったら知られるよう整える作業を続ける。2020/07/14

ぺり

16
最近話題のサイボウズさん。グループウェアの会社であり情報の共有化をナレッジ共有も自社で率先し、新たな働き方の形を模索されている。経営会議の議事録や予算策定の経過を公開するなど従業員(サイボウズさんにとっては適切な名称ではないかもしれませんが)の自発性を最大限に活かすことを考えられている。その結果従来のマネジメントとしての仕事を軽減し、役割としてのマネジメントに力を注ぐ。上場企業でありながらチャレンジングな姿勢が全てを物語っている。2021/03/28

ほし

15
評価の難しい一冊。自分の職場での不満を見ていると、情報の非対称性によるものが少なくありません。そのため、本書での主張である、情報を徹底的にオープンにすることで職場環境の改善や、コミュニケーションの活発化と効率化を促し、マネジメントを軽量化する、という内容には一定の納得感があります。ただ、その一方で、透明性と公明正大を謳う経営方針の中、その正し過ぎる光によってかき消されたもの、見えなくなったものは無いのだろうかとも感じてしまうのです。人間ってそんなに正しく生きられるものでもないと思うのです。2020/08/11

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