内容説明
少女が夢で見た美しい世界に迷いこんでしまう「夢の果て」、鹿の娘が森の小屋でジャムを作る青年に恋をする「あるジャム屋の話」、都会で暮らす息子のもとに母親がふしぎなおよめさんをよこす「ききょうの娘」など、空想と現実の間にある身近な空間を舞台にして、澄んだ感性が織りなす、色彩感も豊かな8編のファンタジーを収録した短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
59
読友さんのご感想を読んだら私も読みたくなった。優しくてどこか哀しい。美しくも寂寥感漂う安房直子さんの世界に引き込まれる。「あるジャム屋の話」「グラタンおばあさんと魔法のアヒル」「ききょうの娘」が特に印象的。何度でも読みたい。2021/02/02
へくとぱすかる
56
はじめて読む物語ばかりでした。それだけにかなり引き込まれてしまいました。子どもの童話であると同時に、大人が読んでも、小説として心に深く刻み込まれるものがあります。物語のメリハリがしっかり効いています。「あるジャム屋の話」「グラタンおばあさんと魔法のアヒル」の2編は、この先どうなるのだろうと、結末を心配しながら読みました。「空にうかんだエレベーター」もいい話。動物や人形の立場になってみるという考え方を、たまには思い出してみたいものです。2020/04/30
コジ
17
★★★★☆ 本棚を漁って出てきた安房直子の児童文学短篇集。一話の長さは短いながらも、優しく丁寧な文章に温かみを感じる。収録作品のほぼ全てに花や植物が登場し、読み手が思い描く作品世界に彩りを添える。少女的なファンタジーと侮る無かれ、中にはチクリさせられる作品もある。児童文学は奥が深い。2015/07/30
caramel
16
電車の中で読みました。最近はトラウマ治療に参考になりそうな本をずっと読んでいたので、こういうほんわか系の物語は久しぶり。安房さんの作品は読んだ事がなかったけど、挿絵と雰囲気からして絶対好みだと思って以前から気になっていたんですが、予想通り好みの雰囲気でした。どの物語も一番を決められない位良かったけど、エレベーターの話が印象に残ったかな。安房さんの作品全部制覇してみたいなぁ。2022/11/28
りるふぃー
13
小学校4~5年位の ちょっと大人になりかけの少女にいちばんぴったりくるような童話集。とはいえ、おばさんの私も、こんな童話が大好きです。安房さんが活躍されてた70年代から90年代頃って、少女マンガやバレエ界も黄金期で、質のよいファンタジーマンガがたくさん生まれ、古典に忠実な品のあるダンサーもたくさんいた。映画も、素敵なやつがいっぱいで。そんな時代が生んだ天才童話作家さんの一人であることは間違いないと思う!巻末の庄野さんの解説が、途中から脱線して、よくわからないことになっている…2018/12/23
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