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内容説明
歴史が激動する時、人は結構いい加減! ――「幕末」は、テロや不況、災害に見舞われた、幕府の末期である。歴史が激動する転換点に、江戸から長州征伐で出張した同心は、大坂で遊興し、元農民の歩兵は吉原で暴れる。この危機感の欠如といい加減さは、現代に酷似し、身近にすら感じられる。大混乱時のリアルで意外な実相をあらわす、7つの事件。読売文学賞受賞作品。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たこらった
2
“気分”は上手い言い回しだ。あやふやではあるけれど実感的な個の目線っぽい。武具奉行同心の手になる『在京在阪中日記』に横溢する行楽気分に違和感を抱いてしまうのは小説やドラマで曇らされた目で読むせいか。“軽薄さを洗練と勘違いする習癖がなくもない江戸っ子”化した下級武士。『藤岡屋日記』に採られた西丸中仕切御門撒兵組番所張札の「かりものと思えば重き肩に筒、三度の菜を腰にさげ、勤めに出れば秋の夜の、堀風寒く火の気なく、立つ身はつらき御門下、実にやる気がないわいなア」は端唄の詞章になっていて三味線の糸にも乗りそうだ。2026/05/07
はるたろうQQ
1
現在で言う週刊誌のようなゴシップを集めた「藤岡屋日記」などを駆使して幕末当時の世相を明らかにし、歴史書には書かれないような些細な事実、噂や流言などから当時生きた人々の心の中を明らかにしようとする。著者の「王道と革命の間」「江戸の兵学思想」「源氏物語を江戸から読む」「忠臣蔵」などを読んで来たが、同じく江戸思想に関するエッセーとも言える。現代の常識や感覚で歴史を理解し判断することが多いが、そうではなく当時の常識や考え方、感覚を知るととても面白い。それなりの理屈や事情があったことが分かる。幕末史の副読本と思う。2020/07/20
bittersweet symphony
1
幕末の空気感を伝えるエピソード集。下級武士や農民出身の歩兵集団の誕生から、慶喜の小利口な言動まで。旧幕臣残党と行動をともにしたフランス士官の話は詳しく掘り下げたいテーマのひとつですね。大村益次郎が、アメリカから軍艦を買い付けるために大隈重信が工面した資金を、当の軍艦を米国が売り渋っているのを見て、資金が底をついていて弾薬すらまともに確保できていなかった新政府軍にその資金をつぎ込むことで彰義隊掃討ができたといったエピソードのような、経済的側面から見る幕末維新史というのも興味深いテーマです。2006/11/15
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