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内容説明
戦前から現在まで、日本のマンガを通史として紹介する唯一無二の書。大ヒット作から通好みの作品まで、劇画と少女マンガなどジャンルを超えて紹介する。マンガ関係者必携の一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
70
タイトル通り、「鳥獣戯画」から「鬼滅の刃」まで、日本におけるマンガの歴史を俯瞰的にとらえる。ある年代やあるジャンルに絞って論じている本は多いが、このように全般的に見据えた本は、これまでなかったのではないだろうか。その分どうしても数多くの参考文献からの引用が多くなるようだ。図版も多く、自分の生きてきた道筋を振り返る。やはり、自分の十代の頃の作品への思い入れが強くなってしまう。これくらい幅広く論じられると、どうしても、あの作品がない、あの作家がいないと突っ込みたくなってしまうのは仕方のないことだろうか。2020/08/27
ハイランド
63
日本のマンガは「鳥獣戯画」や江戸期の絵草紙をベースに、明治以降は重層的に発展し、WEBを舞台を加えることで、個人では全てをフォローすることが難しいほど拡大している。全史という名を冠す以上やむを得ないかもしれないが、表面をなぞったのみという感が拭えない。マンガ週刊誌創刊以降はヒット作のタイトルを羅列するのみで、考察が殆どないのもどうも……。話変わって、ネット全盛の今、マンガも音楽も動画も膨大なコンテンツを定額や無料で安価に楽しむことができる。受容者には天国だがクリエイターにとっては地獄の時代ではなかろうか。2022/12/02
bura
51
鳥獣戯画から令和に到るまでの日本マンガ史をここまでしっかりと年代やジャンル別で書き綴ったモノは他に無いだろう。第一人者の清水勲氏ですら昭和までで、平成のマンガ史は混沌にして細分化していく、それをしっかりと俯瞰してくれていた。雑誌からWeb主体になり、それでもコミックスの売り上げが伸びた10年代の事例が顕著なまとめであった。令和である今年2020年の「鬼滅の刃」の大ヒット、コロナ禍のマンガの役割までしっかりと押さえている。後世に残る「マンガ史の教科書」となる一冊だと思う。平成マンガのチョイスは楽しめたなあ。2020/11/15
ミライ
48
12世紀の「鳥獣戯画」~現代の最新メガヒット「鬼滅の刃」まで、日本のマンガの歴史を語った資料的作品。江戸時代~明治大正時代にかけての風刺画全盛期、昭和戦前の「のらくろ」シリーズのヒット、戦後の手塚治虫の登場、「サンデー」「マガジン」の出版、1990年代の「ジャンプ」全盛期、2000年代ネット時代のメディアミックス・電子書籍まで、500ページ超のとてつもない量となっている(雑誌・コミックスの表紙画像も大量に収録)。最後にマンガの歴史年表もあり、至れり尽くせりの一冊だった。2020/06/27
パトラッシュ
43
通史は便利だが実際に読むと物足りない。本書もその弊を免れなかった。戦後のマンガ発展史を作家や出版社まで含め、マクロの視点で俯瞰できる好著なのだが各項目の記述が薄すぎる。新書本に収めるにはやむを得なかったかもしれないが、詰め込み過ぎて面白くない教科書だ。また「全史」を名乗っているがエロ漫画やレディコミ、コンビニコミックに電子配信にはほぼ言及しておらず、いわばマンガの表の歴史のみ扱っていて影の部分には目を向けていないのは問題だろう。これらを改定して各章ごとに詳細を知りたい人向けの関連書籍を明記してほしかった。2020/08/29