内容説明
「悪いのは高齢者だ」「原因は高齢者が増えたからだ」・・・高齢者のせいにすればすべて通ってしまうこの社会の異様さ。老人に冷たい「嫌老社会」の到来。社会のお荷物として扱われ、肩をすぼめて生きることを強いられつつある日本の高齢者。財政のひっ迫から、高齢ドライバーの交通事故まで、様々な社会問題の責任を負わされ、特養の不足は放置され、認知症や寝たきりに対する偏見は蔓延し、医療現場ではその命さえ軽視されつつある高齢者受難時代の到来に警鐘を鳴らす。第1章 高齢者を邪魔者扱いし差別する異様な社会 第2章 日本社会に横行する高齢者による高齢者バッシング 第3章 「嫌老社会」の行く着く先とは~相続税100%論 第4章 気づかずにしていた認知症への誤解 第5章 被差別「高齢者」にならないために
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糜竺(びじく)
43
高齢者がどんどん増えていっている世の中となっていますが、高齢者に対する見方が変わる、目から鱗が落ちる内容が盛りだくさんで、とても良かったです。正直、テレビなとのマスコミなどは、さりげに高齢者を邪魔者扱いにし、差別する社会を助長しています。私的には、差別的な見方をしているつもりはありませんでしたが、この本を読んでいたら、知らず知らずのうちに、テレビなどに差別意識を刷り込まされていたのに気付かされました。認知症に対する誤解も色々とあって、私自身の無知さ加減も思い知らされました。色んな人に読んで欲しい一冊です。2019/02/03
姉勤
34
池袋の暴走運転大量殺傷など、プリ⚪︎スミサイルなどマスコミのイメージ操作で、世代的な事故率は変わらない。データ的には老人のミスなど些細だ見逃せ、寛容社会だ、と。他にも老人向けの耳障りのいいツラツラ並べ立てているが、後の世代の自分には、著者世代からの恫喝とも思える。著者の1960年世代はバブルを謳歌し、以後30年の不景気に責任を持つ立場の世代ながらそれを冗長させ、現高齢者のことを慮るフリをした、己のみの余生のことしか考えぬ、高齢者予備軍だ。仕舞いの締めは「アベが悪い」と短絡させ、いやはや著者よお前もか、と。2019/06/01
ochatomo
12
図書館の人権週間選書棚より 著者は高齢者専門の精神科医 加齢で一般知能・活動は変わらず、衰えるのは感情コントロール・新しいことへの対応力・創造力・意欲・判断力だそう 10代20代ドライバーの事故率が高いのに数字に基づかない感情的な老人叩き 元気な高齢者が高齢借者を見下す傾向もある(数の論理でなく力の論理) お金を使い続ける限り“現役”であり相続税100%を提言 土井健郎さんの言葉『人間、死んでからだよ』が心に残った 2017刊2022/11/26
myon
6
高齢者医療に長年携わってきた精神科医のエッセイ。被差別高齢者にならないために、自分が不利益を被らないためにも、情報収集と知識の吸収を怠らないようにしよう。2018/01/15
yuko
6
交通事故の発生率は80代より10代や20代の方がはるかに多い。アクセルとブレーキの踏み間違いも全年齢で起こしている。病院の待合室で「今日は〇〇さんの姿が見えないね」「風邪で具合が悪くて病院に来られないんだって」という笑い話。若い人が病院に行くのは病気を早く治したいから。お年寄りが病院に行くのは慢性的な症状に対して長期的な治療を受けているから。これらは無知招く高齢者バッシングであり、こうした行為が高齢者差別へとつながっていくと筆者は懸念する。すべてに納得できる訳ではないが、思考停止すべきではないなと納得。2017/09/12
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