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内容説明
21世紀は本当に「アジアの世紀」となるか。円高、円安に揺れた財務官時代から、アジアインフラ投資銀行(AIIB)出現への対応、革新的な資金拡充策に取り組んだADB総裁時代へ。世界経済のなかのアジアを見据える。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
石油監査人
17
著者は、財務省の元財務官で、2013年から7年間、アジア開発銀行(ADB)の総裁を務めています。この本は、ADB総裁時代を中心に振り返った回顧録で、国際金融の現場の様子が詳細に語られており、歴史的に貴重な史料だと思います。戦後のアジアの経済的な成功は、各国の実情に合わせた実践的なアプローチを適用したことによるもので、特別な発展モデルは存在しないという点。そして、時代の変化によって、各国のインフラの整備から、気候変動対応やジェンダー格差の解消といった事業に融資対象が移っているという点が印象に残りました。2022/09/02
RYU
1
アジア開発銀行総裁日記。財務官時代、ADB総裁時代を描く。アジアに特別な発展モデルはなく、ワシントンコンセンサスの処方箋でもある、輸入の自由化、外国からの直接投資へに国内の開放、金融セクターの規制緩和、市場の実勢を反映した為替レート、国有企業の民営化などの政策を漸進的且つ段階を踏む形で行ってきた。アジアにADBと並ぶ国際機関は存在しない。2020/10/16
深窓
0
財務官・ADB総裁の在任時を振り返った日記叙述がメイン。AIIB設立時の議論と建設的な協調の話などは政策当事者ならでは。 くわえて、著者が編纂に深く関与し2021年に勁草書房から日本語訳も出版された『アジア開発史』を踏まえてアジアの経済成長の要因と課題を分析している。戦後のアジア経済を政策当事者が俯瞰して取り上げた本で広く流布しているものは意外と少なく、特に貴重な記録となっている。2020/11/10
O. M.
0
アジア開発銀行における実務において、著者が具体的に何を考えて、何をしたが分かるので、この業界を目指す人にはかなり参考になるでしょう。国際金融の難しさは、一旦事が起こったときの国ごとの対応の難しさ。そのために味方を作っておかなければならないというところをチェック2020/12/31
も、な、
0
幅広い地域をカバーするアジア開発銀行の奥の深さを感じる。池田秘書官が全てに随行しているというのも驚き。2020/09/29