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内容説明
「この国が移民に乗っ取られるのは勘弁だ」――ドイツ・公務員男性――欧州6カ国、衝撃の現実を描く! 講談社ノンフィクション賞受賞作家、待望の新刊。内外から多くの移民を受け入れ、超国家として発展してきたEU。しかし近年、そのEUで「外国人ぎらい」ともいうべき移民排斥運動が激化している。排外主義ポピュリズムを叫ぶ極右が支持を集め、主力政党となった国もある。自由と人権を掲げてきた欧州で今何が起きているのか。欧州在住のジャーナリストが、チェコ・オランダ・ドイツ・イタリア・フランス・イギリスの6カ国を訪ね、ポピュリスト政党党首や市井の人々への取材を基に、その実態を明らかにする。最終章では「隠れた移民大国」である日本を訪れ、欧州の「失敗」から日本が学ぶべき点を考察する。コロナ禍を経て、今後ますます「外国人ぎらい」が加速すると思われるEU。欧州の轍を踏まないために、そして日本独自の共生社会を築くために、必読の1冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遊々亭おさる
13
英国のEU離脱は英国独特の問題ではなく、加盟国すべてにおいて点在化する問題だった。移民問題を軸にして理想的な共同体であるEUの限界をリポートし、翻って日本の異文化との共生の道を探る一冊。一般的に極右と認識される政党の主張も公平に見ればあながち極論とは言い切れない側面を持つ。信仰する宗教の違いなど異なる価値観に対する警戒心が自国民と同じ権利を有する移民との相互理解を阻む。移民に理解は示すが、そこから生まれる不平等感に悩む人も多い。日本も対岸の火事ではない。日本語での意思の疎通が相互理解への道だと著者は説く。2020/08/02
templecity
12
欧州では移民問題で外国人を排斥する動きがある。東欧では西欧よりも生活レベルは高くないかもしれないが国に誇りを持っている。スペインあたりでは移民が住民になじまないので排斥される。ドイツでは移民を積極的に受け入れてきたがドイツ国民にとっては自分たちの税金が使われて不便が生じることを嫌う国民も多い。そういう中で極右勢力が生まれる。イスラムを排斥する理屈が不自由を輸入してはならないと言う論理。フランスは町が汚く移民がのさばっている。英国は移民を嫌ってEUから脱退した。(続きあり) 2020/07/20
MioCastello
6
最近日本各地で農作物や魚介類、家畜の盗難が相次いでいる。一昔前の日本はこんな国ではなかった。一体何が変わってしまったのか?差別主義者のレッテルを貼られたくない良識ある日本人は決して憶測で物事を語る事はない。しかしきっと誰もが同じ思いを抱いているに違いない。欧米では市井の人々のこの様な秘めた想いがトランプ大統領を生みブレイクジッドを起こした。壮大なEUの実験により行き過ぎたグローバリゼーションが深刻な社会不安と格差拡大を招く事が立証された。既に結論は出たのだから日本は別の道を模索するべきではないだろうか。2020/09/16
りょう
4
ジャーナリスト宮下洋一さんが各国のポピュリズムに触れながら国や政治の在り方を模索する。 著者の中立的でありつつも正直に自分の意見を持つ姿勢に好感を持つ。 個人的には良くも悪くも日本の未来を楽観視する結論に至った。 自国の文化に誇りを持ちつつ、他国の文化も同じ様に尊重する人間でありたい。2021/04/29
はなちゃん
3
各国移民が増えてきて、それに伴うトラブルが増えてきてるのに、それを表立って発言すると差別と言われ…。既にEUで移民政策の結果が出てるのに、なんで方針転換できないのか。私たちは過去に何百年と戦いを繰り返し、国境が今に至るのに、たったこの数十年で異文化を持つ人が大量にあちこち入り乱れて混ざり合うなんて、無理だと思う。もっと時間をかけてゆっくりと混じり合わないと。2024/03/06
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