内容説明
お掃除ロボット,ドローン,AI家電,自動運転車….ふと気がつくと身の回りにはロボットやAIがあふれ,日々の生活に欠かせないものになっている.ロボットやAIの普及によって私たちの生活はどのように変わるのだろう.ロボットは人間を幸せにしてくれるのだろうか? これからの人とロボットの関係を考えるロボット社会文化論.
目次
1 はじめに――ロボットが家にいたら
ロボットがほしい/生活に入ってくるロボットたち/進化する「ヒューマノイド」/戦争するロボット/ロボットとAIは同じか? 違うか?/本書の目的
2 人間はなぜロボットをつくるのか?
なぜ人間はロボットをつくろうとするのか
2-1 なぜ,いま,ロボット?
なぜいまロボットに注目が集まるのか?/現代社会の不安/社会的背景 その1/社会的背景 その2/産業的背景/技術的背景
2-2 実用化への期待
期待されるロボットは?/リスク対応型ロボットへの期待
3 ロボットの進化とわたしたちの社会
3-1 さまざまなロボットがいる
「ロボット」ってなに?/さまざまなロボット
3-2 ロボットは人間を超えるか?
ロボットの進化/ロボットは人間に代わって仕事をする
3-3 ロボットは人間の敵になるのか?
ロボットは暴走するか?/ロボット虐待?/社会的不安の現状/ロボットと人間の関係
4 西欧文化の中のロボット
4-1 人工物と人工物観
ロボットは「人工物」
4-2 ロボットAIの歴史は「機械時計」とともに始まった
ロボットの始まりは機械時計/近代医学は人間を「機械」と考えるところから始まった
4-3 ロボットの夢
そして人間たちは知能と身体を人工的につくれると考えた/自律したロボットが,科学者たちの夢だった/機械と人間の戦い
4-4 現代~未来へ
ロボットの時代
5 日本文化の中のロボット
5-1 南蛮船が日本に「時計」をもってきた
時計技術の伝来
5-2 日本における時計技術の展開
国内の時計技術者/日本では,時計技術は産業科学ではなく,文化芸術として発展した
5-3 近代日本と時計技術
しかし,日本の近代化を引っ張ったのも時計産業だった/近代日本の時計産業/田中久重と豊田佐吉/日本のロボットたちは自律しない
6 反乱するロボット,涙を流すロボット
6-1 人造人間の倫理
フランケンシュタイン博士と人造人間の激しい愛憎/西行の反魂術の静かな悲しみ
6-2 反乱するロボットと夜行する付喪神たち
チャペックが描いたロボットの反乱/物の妖怪付喪神
6-3 ジョン・ヘンリーと列車に化ける動物たち
機械と戦った英雄/機械のマネをする妖怪たち
6-4 「ロボット三原則」とドラえもん
アシモフが考えたロボット三原則/人間に反抗することのない日本のロボット
6-5 ロボットと人間のあいだ
ロボットの死の受容
6-6 なぜこのような違いが生じるのか
神と人と物の関係
7 共進化するロボット
7-1 文化も共進化する
異なる文化は決して交わらないのか/融合する人工物観/技術開発の主体も協働する
7-2 「第二の技術」という考え方
思考の道具,コミュニケーションのツールとしての人工知能(コンピュータ)/自然と戯れる「第二の技術」/〈初音ミク〉というロボット/永遠に完成しない遊戯
7-3 ロボットと人間の共生する社会
ロボットと共生するために考えておくべきこと/〈モノ〉は機械だけではない/「伴侶種」という考え方
8 おわりに――サイボーグ=人間がネットワーク化される世界の危険と希望
8-1 サイボーグ化する人間たち
ロボットについて考えることは人間社会について考えること/サイボーグとしての私たち/サイボーグ化する〈私〉たち/ヒトと人工知能の融合
8-2 ネットワーク化されるサイボーグ人間たち
ネットワーク化する〈私〉たち/自動運転というロボット・人工知能/社会全体がインターネットに埋め込まれる
8-3 IoT,IoEという〈世界脳〉,その期待と恐怖
人間とコンピュータの共生/ウェルズの〈世界脳〉/オーウェルの〈世界脳〉批判/監視管理環境生権力
8-4 〈世界脳〉を希望とするには
〈世界脳〉を監督する〈世界脳〉/〈知の考古学〉/私たちは監視されるかもしれない.でも私たちが未来をつくり出す/おわりにのおわりに
参考文献
感想・レビュー
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スプリント
Hiroki Nishizumi
むさみか
in medio tutissimus ibis.