岩波新書<br> 戦艦大和 - 生還者たちの証言から

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岩波新書
戦艦大和 - 生還者たちの証言から

  • 著者名:栗原俊雄
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 岩波書店(2020/06発売)
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  • ISBN:9784004310884

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内容説明

真珠湾攻撃の直後に竣工し「世界最大・最強」を誇った大和.だが,この巨艦はレイテ沖海戦などを経て沖縄へ向かう途中,わずか2時間で撃沈された.約3000人の乗組員の内,生還者は300人足らず.著者は現存する23人からその凄惨きわまる体験を取材,大和の航跡と戦争の実相,生存者や遺族の願いを伝える.

目次

『戦艦大和 生還者たちの証言から』
序章 誕生
秘密裏の進水式
「量より質」
世界最大・最強
「アウト・レンジ」戦法
直接防御と間接防御
徹底した機密保持
「でかすぎる」と不安に
連合艦隊旗艦として
第1章 初陣
ミッドウェー
敗因
「保養地」トラック
釣りも映画も
「大和ホテル」
激戦続くガ島
幻の「大和出撃」
出し惜しみ
「貧乏海軍」の必勝戦術
第2章 海戦
「不沈艦」を実感
「罰直」
マリアナ沖海戦
レイテ海戦
姉妹艦「武蔵」沈没
主砲炸裂
「戦果」
「引き返したのは正解」
甲板で人肉を拾う
第3章 出撃
大和の使い道
沖縄へ
「特攻」発令
「裸艦隊」での出動
最後の酒宴
「総員死ニ方用意」
第4章 沈没
米軍の迎撃態勢
「我敵機ト交戦中」
血を噴く胴体、転がる首
生死を分けたもの
「傾斜復旧の見込みなし!」
それぞれの最期
「通説」への異議
艦と運命をともに
主砲を撃ったのか
第5章 生還
大和の「お通夜」
機銃掃射
地獄の海に響くメロディ
戦友を蹴り離した
さらなる地獄
「生き残ったことが負い目」
至近弾の水柱も脅威
歓迎されざる客
後ろめたさ
第6章 責任
「大本営発表」
海軍内部からの批判
「御下問」
噴出した怒り
「片道燃料」
推進者の主張
玄人から見た「戦略」
「沈んでよかった」
第7章 遺族
永遠の妻
割腹自殺
再婚
「武骨な父なりに……」
母に渡したいもの
沈没地点で散骨
「大和ブーム」への懸念
嗚咽
日記
引き継いだ責任
第8章 戦 後
海が怖い
「生き残ってしまった」
「エリート」の誇り
大和の「格」
人生にとって
教育者として
読経
第9章 真相
『戦艦大和ノ最後』
「フィクション」
杯を交わして
「語り継ぐことに力を」
強制された「特攻」
「二階級特進」せず
「準特攻」
第10章 未来
ブーム
「ナショナリズムが高まって」
「技術は沈まなかった」
語り部
「第三世代」
生きている大和
あとがき
主な参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

breguet4194q

115
戦艦大和に纏わる事をコンパクトにまとめられてます。戦後何十年と経つ中で、生還者に話を聞ける限界を意識しつつ、ノンフィクションで構成されてます。また、完成前から沈没を経て、生還者を取り巻く風潮など、時系列に綴られてます。大和とその周辺を知るには十分な一冊だと思います。2023/08/09

樋口佳之

57
大和は、見る者の歴史観を映す鏡である。/この著者の総括に、若い頃なら納得したのでしょうが、今はそれは違うのでは、鏡にしてはいけないのではと思うのでした。大和という事実、そのたどった歴史、関わりを持ち生き、あるいは亡くなった方達、そのご家族のたどった戦中戦後、それらすべて現実にあった事の一つ一つに向き合う事が大切なのではと。本作自身はその助けとなるもの、もうあつめる事のできない記録となっているものなのですし。2023/08/10

hatayan

24
進水式を迎えたときには既に時代遅れ。期待された戦果を挙げることなく沖縄特攻の途上で海に沈んだ戦艦大和。3,000人を超える犠牲のなかで生還した乗組員に聞き取りを重ねます。 生き残ったことに後ろめたさを感じていること、大和の乗組員であったことが誇りであったこと、大和は沈んだことで敵国の見世物にならずにすんだこと。著名な『戦艦大和ノ最期』(吉田満)はフィクションであることも明らかにされます。 見る人によって見方や評価がまるで変わってくる多面性が、大和が時代を超えて関心を引きつける原因なのかもしれません。2018/12/04

ケー

24
この前旅行で行った大和ミュージアムが印象深かったので新書で読んでみた。書かれたのが10年ほど前、大和ミュージアムが開館したばかりというのもあり、ホットなタイミングでの出版。前半は大和がいかにして作戦に参加し、沈没したのか。後半は乗組員の方の証言。陸軍と違い、常に戦場というわけではない戦艦。中での生活は意外に豊かというのがビックリ。当時は「不沈艦」と真面目に信じられていたというのもそのスケールを考えるとわかる。戦後70年を過ぎ、この戦艦を考えることは大事だと改めて認識した。『戦艦大和ノ最期』も読みたい。2017/10/21

浅香山三郎

12
栗原さんの本を読むのは2冊目。本書は2007年刊なので10年前の本だ。この当時に生存してゐた大和の生還者は20名程度だつたといふから、いま何人程ご存命なのだらう。本書あとがきにあるやうに「ぎりぎり間に合つた」としみじみ感じさせられる貴重な証言を収める。呉のミュージアムはまだ行つたことがないが、戸高一成氏の本は読んだことがある。最近の艦船製造技術の視点からみた大和ブームが、悲劇の実相から切り離されて浸透してゐる感もあり、生還者が居なくなるとその傾向はもつと強くなるだらう。2017/07/30

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