内容説明
味噌、醤油、ヨーグルト、日本酒、ワインなど、世界中にある発酵食品。著者はあるきっかけで“発酵”に魅せられ、日本だけでなく世界各地に伝承された美味なる食品を求めて旅をした。発酵とは、見えない自然を捉え、ミクロの生物と関係を結び、暮らしの中に喜びを埋め込む。この総体が発酵文化であり、そのローカル文化を通して人類の不思議を解くのが「発酵文化人類学」。発酵には、オーガニック、美容、ライフスタイル、イノベーションへの発展の側面があり、単なる食品にとどまらず、人間にとっての未来の可能性があり、歴史・文化を見直すきっかけになる。発酵は、今、人類の未来を左右する最も注目を集めている分野のひとつと言える理由がそこにある。
著者は発酵のしくみや人間と微生物との関わりを学ぶ中で、発見した。発酵には未来と過去があり、“微生物と人間の共存”は社会を見直すキーワードそのものだということを。
生物学、哲学、芸術、文化人類学などの専門用語を平易に解説した待望の文庫化。参考文献満載。解説・橘ケンチ(EXILE)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はっせー
77
発酵食品に興味がある人や好きな人におすすめの本になっている!読書友達からのおすすめの本であったが大分積読であった。だが積読の間に本が発酵して面白みという旨味に変わっていた気がした!この本は著者の小倉ヒラクさんが発酵食品や発酵次第について文化人類学的アプローチで書かれた本になっている。まず文章がうまい!軽いタッチで書かれておりちょっとした冗談も入れているのでクスッと笑ってしまう!そしてなにより内容自体もためになる話ばかりである。家でぬか漬けをしていたり味噌を手作りしている人がいればこの本めっちゃおすすめだ!2023/08/04
papako
73
たまたま本屋さんで見かけて。とにかく発酵!そして文化人類学だ!醤油に味噌にお酒にワイン。発酵とか何かを教えてくれる。くどくどしてるところもあるけど、わかりやすく噛み砕いて説明してくれるし、好意的な文章なので、楽しく発酵を知ることができました。もうお醤油とか、味噌とか、食べてみたくなるものばかり。もう一生分呑んだと思っている日本酒やワインを呑んでみたくなりました。やはり手前味噌、作ってみようかしら。子供の頃作ったもんな。うん、発酵ばんざい!2021/01/14
ホークス
50
元本は2017年刊。日本酒、ワイン、味噌、醤油の発酵を実地に調べた著者が、発酵と食文化の未来を考える。勉強になった。日本酒とワインの製造工程を大まかに理解できたのが嬉しい。原料作物の品種と育て方、風土的な制約、目指す味や香りなどによる無限のバリエーション。芸術に近い豊かな表現を楽しむ文化が、消費側にも求められる。手作りのリスクと手間、コスト的な整合の問題もある。昔は「それしか無い」ゆえに存在した土着の良さを、意志を持って選べるか。個性の豊かさにどれだけ価値を感じるか、色々な行方のポイントになるだろう。2022/07/04
活字スキー
28
本書を選んだきっかけが何だったかは忘れちゃったものの、率直に言って面白かった。と同時に色々惜しいとも思った。タイトルからして、間違ってはいないんだけど真面目な学術書のような印象を与えてしまいそうだが、実際は自称・発酵デザイナーのやたら馴れ馴れしいヒラクくんが酒やら味噌やら醤油やらの発酵文化をメインにしながらレヴィ・ストロースだの贈与論だの中動態だの、あっちこっちに繋がり広がるオモシロ話を繰り広げ、人と自然の営みについて多方面から刺激してくれるのであるよ。 2024/05/30
エジー@中小企業診断士
22
発酵文化人類学=発酵を通して人類の暮らしに纏わる文化や技術の謎を紐解く学問。生命工学と社会学の交差点。人間に有用な微生物が働く過程が発酵であり有害だと腐敗。麹菌(カビ)、酵母(パン・ビール)、細菌(乳酸菌・納豆菌)発酵食品は腐らない、美味しい、栄養満点。「発酵する、ゆえに我あり」発酵するヒト=ホモ・ファーメンタム。腐敗を防ぐ知恵⇒発酵菌のバリヤー、塩・砂糖漬け、ph値コントロール、高濃度アルコール。発酵食品は風土と菌のブリコラージュ。発酵=酸素(呼吸)も光(光合成)も使わないエネルギー獲得法。社会を醸す。2026/06/27
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