内容説明
10年の浪人期間を経て薬科大に入学した数納薫と、12年もの浪人生活をまるで青春を謳歌するかのように過ごした芹澤ノエル。田舎の内科開業医の息子と大病院理事長の孫とではそのライフスタイルや考え方はまるで違っていたが、二人は互いに心許せる関係を築いていた。しかしそんな日々は、ある日突然、終わることに。芹澤が自殺したのだ。芹澤の死が受け入れられない薫は、ある時、彼が残した薬の存在を知った。それは、たった一錠で痛みも苦しみもなく確実に死ぬことができるという薬だった。時を同じくしてSNSでは不可解な死の連鎖の噂が広まり始め…。第6回「暮らしの小説大賞」受賞作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Kazitu
82
          
            「いつでも死ねると思ったら、生きていくのがラクになった」と笑った親友は、薬を飲んで自殺した。 薬科大学での青春ミステリー。 重い話ではあったけど、わかるようなわからないような。私もお守りみたいな1錠はほしい。でも市販薬では、しなないよ。😅薬についての蘊蓄は、勉強になった。2023/05/30
          
        ☆よいこ
74
          
            青春小説。薬学部の学生が「死ねる薬」を作って配る話。死を運ぶセリーヌの正体は誰か?死ぬ権利を得たら、人は幸せになれるのか?▽薬の成分や効能について触れる記述があるが、マニアックではないので読みやすい。▽明るい話ではなかった、ドラマぽい2020/10/18
          
        kou
73
          
            1粒で眠るように死ぬ事ができる薬・・・人は自分が死ぬタイミングを、自分で決められるようになると、実際、前向きになれたり、生きる活力が沸いてくるものなのだろうか?イロイロ考えさせられるテーマだと思う。読むタイミングによって感想が変わりそうな一冊だった。2020/01/12
          
        夜長月🌙新潮部
67
          
            安楽死ができる「くすり」があればいいと思いますか?主成分は「死」。副作用「生きる力」。いつでも死ねる安心を得て、生きる力を獲得する人も出てきます。本当にそんなことがあるのでしょうか。2020/12/21
          
        Ikutan
58
          
            一人の男子薬学生が突然自殺し、その後不可解な自殺者が相次ぐ。その頃、たった一錠で痛みも苦しみもなく死ねる薬があるとSNSで噂が。彼の自殺と噂の薬の真相は..薬学青春ミステリということで、薬学の知識がてんこ盛り。脳内物質や睡眠メカニズム、薬の作用機序に相互作用、更にはオプジーボ問題まで、上手く絡めているなぁと感心。死生観など哲学的なところもあるけれど、ベースは青春小説なので読みやすい。恋愛に関しては、男性作家さんらしいなぁと思うところも。あなたの命が誰かの希望になっている。色々考えさせられる一冊でした。2019/11/20
          
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