新潮文庫<br> 動物たちのまーまー(新潮文庫)

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新潮文庫
動物たちのまーまー(新潮文庫)

  • 著者名:一條次郎【著】
  • 価格 ¥693(本体¥630)
  • 新潮社(2020/06発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101216522

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内容説明

耳を澄ませ。何かが聞こえる――。テノリネコが膨らむ音が。徘徊するネコビトたちの呟きが。貝殻プールのラッコの水音が。盗んだトウモロコシをゆでる熊のご機嫌な鼻歌が。そして、吸血鬼(バンパイア)の奏でる陽気なラグタイムピアノが……。混沌と不条理の中に、世界の裏側へと読者を誘う魅惑的な企みが潜む。デビュー作『レプリカたちの夜』で大ブレイクした鬼才による、異彩を放つ傑作オリジナル短篇集。(解説・杉江松恋)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kazuko Ohta

43
無知な私は、“murmur”という英単語が存在することを知らず。そんなダジャレみたいな英単語を「まーまー」と書く、素敵すぎるセンス。環境汚染によって異形化した動物とか、見たこともない光景のはずなのに、想像の世界がどんどん膨らむのです。そのシュールさを今は笑っていられるけれど、もしかしたらそう遠くない将来、現実になるかもしれないなぁなんてちょっぴり恐ろしくもあり。伊坂幸太郎が推しているだけあって、伊坂作品を好きな人ならば、たぶん好みの範疇。この表紙のぬいぐるみがあればほしい。んー、こんなん家に居ったら嫌か。2020/04/15

デーカ

42
「レプリカたちの夜」から続けて本作を読んだので、この何とも言えない一條ワールドに戸惑うことなく入り込めました。短編だったので「レプリカ~」よりも読みやすい。作者は動物と音楽が大好きなんだろうなぁ。人間味溢れる、おもしろキャラクターたちに愛着がわきます。2020/04/19

Kanonlicht

36
著者の短編をはじめて読んだ。なんというか、ちょうどいい。全編にわたり持ち味である不条理世界が繰り広げられるのは相変わらずで、長編だと酩酊感が強すぎて一気に読めないのを、ほろ酔い気分で「次は何が出てくるかな?」と楽しめる感じ。読んでいて思ったのは、夢を見ている感覚に近い。見た目は現実っぽいんだけど、現実にはあり得ないことが起きて、でもなんか納得感がある。そんな世界を描くのがとてもうまい。「テノリネコ」「採って獲って盗りまくれ」が好き。2024/01/24

亜希

36
題名かわいい。伊坂さんが『レプリカたちの夜』を推していて、でもいきなり長編は難度高そうと躊躇したため、とりあえずこちらの短編から手に取りました。…うん、短編で良かったかも。私的には意味わからん系の話も好きなので楽しめた部分もあったけれど、読んでいるこちらも真顔になっちゃうような話ばかり。真面目な体で変な話を書くのであれば、思わず吹き出しちゃうくらい面白いとか、上手いっと膝を叩くような描写が欲しかったです。話としては「アンラクギョ」「貝殻プールでまちあわせ」、オチは「採って穫って盗りまくれ」が好きでした。2020/08/18

のじ

32
おそらく今年最後の読了本です。ずっと気になってはいたんだけれど、なかなか手が出ずにいたところ、短篇集ということで読んでみました。自分の好みに合うかどうか不安だったのですが、独特のゆるさとへんてこりんな設定にのっかって展開する物語をたんのうしました。面白い。クマになってとうもろこしを盗む話と、皿洗いで指紋がなくなるミュージシャンの話が面白かったなあ。旅先で読もうと思ったのに持っていくのを忘れてしまったんだけど、旅先で読んだらまたちょっと楽しさが増したとおもう。この作家さんの長編も読んでみようと思います。2021/12/30

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