内容説明
退職願を胸ポケットに忍ばせ、波止場警部は揺れていた。
彼女の最後の事件は、公園の噴水に浮かび上がった水死体。
しかしその不可解さゆえ、名高い忘却探偵・掟上今日子と協力捜査することになり……。
辞めたがりの刑事と仕事中毒の名探偵。奇妙なタッグが謎に挑む!
(同一内容の単行本版も配信中)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
K
101
昨夜も思わず呟いてしまったが、これだけミステリ作品が飽和している中であっても、謎を生み出し続ける発想力は素晴らしいの一言。(私が所謂お決まりに疎い面もあるが...) 併せて著者の多作ぶりにも舌を巻くばかりである。 4編それぞれに登場する女性警部のひょんな一言から一気に真相を突き止める今日子さんに置いていかれつつ、序盤に蒔かれている伏線に気づいたり気づかなかったりですっかり楽しめた。 特に「バラバラ死体」と「飛び降り死体」は正に発想の転換といった内容で、呟くほど妙に納得させられてしまった。 次巻にも期待。 2021/05/04
hnzwd
28
一日で記憶が無くなる忘却探偵シリーズ。短編としての切れ味は相変わらず。初期より天然な感じが増してる気がしますねー。2020/06/27
coco夏ko10角
22
シリーズ第5弾、4つのお話収録の短編集。3弾のときは男性刑事が相棒だったけど、今巻は女性刑事が。年齢の近い女性から見た今日子さん、語り手が男性のときとはまた違ってよかった。2020/11/01
マッちゃま
21
今回の依頼者は全て女警部の短編集。10以上にバラバラにされた男を殺した犯人捜しの1作目。野球場のマウンドで死んだ投手の死因は墜落死。事故?自殺?それとも殺人?そもそもどうやって?の2作目。入院患者のナースコールで訪室すると絞殺されていた男。姿なき犯人?の3作目。直ぐ見つかる様な池で見つかった水死体。なぜ犯人は其処に遺棄したのか?の4作目。依頼者の視点から語られる忘却探偵。何気ない会話の中から浮かぶ真相も楽しみだが何気ない今日子さんの言動にも面白味も感じてしまう。ミステリとしては反則なオチだが嫌いじゃない。2020/07/06
星野流人
20
忘却探偵と、彼女に捜査協力を仰いだ4人の女性警部たちの短編4作品を収録。事件はバラバラ死体、飛び降り死体、絞殺死体、水死体といずれもブラックなテーマですが、とぼけた今日子さんのスタンスはいつも通りなので楽しく読むことのできる作品です。女性警官が相棒役となることで、警察視点から今日子さんがどのように扱われているのかがわかる1冊でした。個人的にはバラバラ死体のエピソードが、その真相のぶっ飛び具合まで含めておもしろかったです2020/06/24