内容説明
「どうぞ」「どうも」
具体的に言わなくても、社会に共通する「感覚」によって伝わる日本語
日本最古の和歌集『万葉集』八九四番に著された、神々が宿る国の「行間」とは? 来日4年目にたどり着いた著者の答え。
【本書より】
日本語の「行間」、日本の街の「行間」、日本の「行間」、私の「行間」。それにはどのようなものがあって、どのようにして読み取れるもので、また、どうすれば自分で他人に「行間」を残すことができるのか。いわば、どうすれば私がその街の「行間」の一部になれるのか。
・「お客様、注文なさったコーヒーでいらっしゃいます」韓国で流行する敬語崩壊
・「漢字ハングル混合文」を考案した福沢諭吉
・韓国語から日本語の影響を排除したら、「あっ」「おっ」しか言えなくなる
・日本の~化、~的、~性――「接辞型漢字語」は世紀の大発明品
・韓国語の敬語は、「お互いの序列を証明する」身分証明書
・韓国語に「~さん」にあたいする言葉はない
・敬語は「主従」ではなく「優しさ」の表現方法
・オバマ大統領が絶賛した「世界を変えた文化の一つ」・絵文字(EMOJI)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
7
韓国の敬語について。ここ10〜15年で、「事物尊称」ないし「事物尊待」という敬語法が広まっている。「お父さんが乗った船が出港しました」→「お父様がお乗りになった船が出港なさいました」。まだ「お船様」とはならないそうな。受け付けで「愛する私たちのお客様、今日はどのようなご用件でいらっしやいましたか」。「××の価格は○○ウォンでいらっしゃいます/おられます」▲聖書のイエスのしゃべりが王のように偉そうで、相手を軽く見下すようなニュアンスになっている。尊敬と謙譲ではなく、尊卑がにじむそうな。2020/06/06
seraphim
6
韓国出身の著者から見た日本の、日本人が持つ特有の感覚について考察した本。韓国と比較しながら考察しているのだが、隣の国なのに、韓国のことをほとんど知らないことに気づかされた。文化が違うのだから、考え方も異なるのは当たり前なのだが、根本的な違いがあるのに驚いた。敬語に関しては、慇懃無礼という言葉があるように、日本では使い方によっては、かえって相手を馬鹿にしていると感じさせてしまう。それなのに韓国ではモノに対してまで敬語を使うのが当たり前になってきている、ということには驚いた。興味深く読んだ。2021/11/05
Ryoichi Ito
5
韓国の敬語に関心があり購入した。読む価値があったのは専門家キム・ジヘ教授の「バンマル,彼らの身分社会」からの引用だけ。「韓国には,個人単位で勝手に決める身分階級がある」という。「対等」の概念がない。という。これが本当なら,国と国との関係でも,自分より下だとみなす日本が「朝鮮出兵」や「日韓併合」をしたことは絶対に許すことができないだろう。2023/10/16
Hiroki Nishizumi
1
高文脈言語、機能性非識字者、訳せない言葉、そして識字率など、参考になった。2021/10/22
荏苒 byn
1
言語をテーマにしたエッセイ。日本語が高文脈であるとは、「どうも」で話が通じる てなことP48。日本在住3年で、日本文学などに造詣がある。P177故国の地上波放送で「祖国の悪口を言ってセレブになった男・日本人に狂喜されている嫌韓作家とされたり、売国奴扱い」 という著者だそうだ。両班とは東西の二組から。 日韓比較には関心覚えないんだけど、 万葉集や小泉八雲も出てきて、読む気が興る。browsed 2020/09/29