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内容説明
若き日に荷風の文学世界に引き込まれた著者が、戦争へと向かう昭和初期の時代と名作の舞台とを合わせて読み解く。旧版に評論「水の流れ――永井荷風文学紀行」を増補し、巻末に荷風『 東綺譚』全編を収載。随筆と小説が織りなす幽艶な詩的世界を現出する。
〈解説〉高橋昌男
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
浅香山三郎
10
2019年11月刊。新潮文庫版を増補し、さらに永井荷風「濹東綺譚」を収める。安岡章太郎が、「濹東綺譚」執筆の頃の荷風と、その舞台を歩きながら、自身の抱く荷風像を語る。後半に「濹東綺譚」全文(「作後贅言」を含む)を収録してゐるので、こちらを先に読んだ方がより安岡章太郎の視線がよく分かる。荷風の美文に酔ひながらも、「濹東綺譚」発表時の世間からの受けとめられ方や、荷風によるこの小説の構成の工夫まで、自身も小説を書く立場からの、安岡さんの読み込みが興味深い。2022/10/14
雲をみるひと
8
永井荷風の濹東綺譚をテーマにした随筆集。濹東綺譚の解説本ではない。本作においては濹東綺譚そのものも収録されており、背景等わかりやすい。初出から80年以上が経過した今でも男性に一種の憧憬を抱かせるような魅力のある濹東綺譚の印象が強すぎて本編が食われてしまっている印象は否めない。2019/12/18
go
4
やっぱりみんな荷風にハマるんだなと思った。それはそうかと。2020/10/16
まぶぜたろう
2
荷風の「濹東綺譚」はあまりに温度が低く、今回、久々に読み返してもさほど面白いとは思えず、逆に安岡章太郎のノスタルジックな「濹東綺譚」エッセイの方がよほど面白い。 ■とりわけ、荷風の原典の引用を交えながら、安岡が「濹東綺譚」を追い書きするような記述が素晴らしい。「濹東綺譚」はそもそもが(素朴ではあるが)メタ的な小説だが、それをさらに複雑に上書きする面白さ、幻惑感。今はなき玉の井の裏路地を、小説世界を、安岡はタイムトラベラーのように彷徨うのだ。2019/12/21
午睡
1
万事少しも力むところのない翁、といった印象の安岡章太郎が、この本では不思議なくらい熱っぽく荷風の魅力、とりわけ墨東綺譚の魅力を語っている。いままで何度も読んできたはずの墨東綺譚を、この熱意にほだされまた三読四拝。すると、いままで目で流して読んでいたものか、細かな描写や構成の妙に気づかされた。 とりわけ作者贅言にある荷風と落魄した老人、神代菷葉( 本名:神代種亮)とのやりとりには深く感じ入った。現代の作家、小林信彦が国枝史郎の「神州纐纈城」をめぐって老編集者真野律太と交誼を結ぶエピソードなどを思い出す。2019/12/26
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