小学館文庫<br> 奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち ~伝説の灘校国語教師・橋本武の流儀~

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小学館文庫
奇跡の教室 エチ先生と『銀の匙』の子どもたち ~伝説の灘校国語教師・橋本武の流儀~

  • 著者名:伊藤氏貴【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 小学館(2020/06発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784094087734

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内容説明

文庫本で東大からの学力。伝説授業の真実。

橋本武、現在100歳。戦後、公立校のすべり止めだった灘校で、文庫本『銀の匙』だけを3年間かけて読むという空前絶後の授業を始める。明治の虚弱な少年の成長物語を、横道にそれながら丁寧に追体験していく。五感や季節感を大切にしながら進められる橋本の授業は、生徒の興味でどこまでも脱線していき、子どもたちは自分や友人の“個性”に気づく。一学年200人の中高一貫。6年間を繰り上がりで一教科一教師担当制の灘校で、橋本の『銀の匙』授業を受けられたのは30年間でわずか1000人。そして『銀の匙』授業3巡目の昭和43年卒業組は「私立初の東大合格者日本一」に。実社会でも旺盛な好奇心で、教科書なき道を切り開いていく彼ら。現在の東大総長、副総長、最高裁事務総長、弁護士連合会事務総長、神奈川県知事など、各界の頂点が“銀の匙の同級生”である。「燃え尽きない一生学び続ける好奇心」を授けた伝説授業を、橋本自身と教え子たちへの1年間の及ぶ取材から解析し、スロウリーディング・ブームの火付け役となった感動のノンフィクションが文庫化。(2012年10月発行作品)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

三代目 びあだいまおう

305
普通の私立高を東大合格者数No. 1の名門高に押し上げたとされる奇跡の授業。国語教師が教科書を使わず、3年間の教材はたった1冊の小説『銀の匙』スロウリーディング、味読というスタイルで作品を細かく深く多角的に徹底して読み込む。なるほど、言葉をきちんと理解し作者の思いや行間に隠れた意図なども理解することは全ての教科に通じる!かの進学校『灘高』伝説の教師の話です。『すぐ役立つことは、すぐに役立たなくなります。(中略)そうやって自分で見付けたことは君たちの一生の財産になります(本文)』教師の熱意っていいね‼️🙇2020/08/21

aika

46
教科書ではなく、中勘助の『銀の匙』一冊を中学3年間をかけてじっくりと脱線しながら学ぶ風変りな授業は、目的まで最短距離で走ることを求められることに慣れた今を生きる身には目から鱗の連続でした。かつては無名の私学だった灘校で国語の教鞭をとったエチ先生こと橋本武先生。作中に出てくる駄菓子を用意して「甘い風」を生徒たちに感じさせる素敵な先生の授業を受けられた生徒は幸せだし、本物の小説と時間をかけて対峙し、そこに込められた魂を中学生が心身で読み解いていく瞬間の積み重ねは、一生の宝物になるだろうなと羨ましくなりました。2021/05/31

James Hayashi

37
中勘助の「銀の匙」を中学3年間の国語の時間を通して学ぶことで有名な灘高橋本武教師の生い立ち、教育法、教え子たちの声を纏めたもの。読んでいて感じたのは、中高6年間を一貫教育されているが、「銀の匙」の受講生徒のみ合格率が良かったのであろうか。それとも橋本先生の授業を受けていない生徒達の年も進学率が同等に良かったのか気になった。もし6年おきに進学率がアップしているなら、橋本先生の影響が大きいと言えるが、いずれにしても豊かな授業に羨望の思いもあるが感動が伝わってきた。2019/01/30

さきん

33
銀の匙自体、短いし、そこまで楽しい話でもないが、その一冊を三年間通して教材として使い切る決断はすごいものを感じる。小さい疑問から自分の頭で考えて仮説を立てる練習をひたすらおこなうイメージ。灘に入れる学力だからこそとも思ってしまうが、最初はそうでものなかったようなので、この勉強法は効果的なのかも。すぐに役に立つことはすぐに役に立たなくなるというフレーズが印象に残った。面倒くさいと思っても地道に続け挑戦していくことを大切にしたい。2021/05/09

ジャズクラ本

21
◎検定教科書を使用せず中学3年間、中勘助の「銀の匙」一冊を授業題材として扱うことで灘を押しも押されぬ名門高校に仕立てあげた立役者 橋本武の教育を扱った本。授業内容のみならず苦学の生い立ちや卒業生の回顧録にも筆が及んでいる。つめこみの否定やゆとりの失敗など錯綜する現在の教育に対する一つの回答がこの教育法に示されている。感性の柔らかな中学時代につくりあげた土台は大学受験など遥かに乗り越え、人生の財産になり得るという好例。又、自分の仕事に情熱を持って成し遂げることの醍醐味を教えてくれる本でもあった。良書です。2020/08/24

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