虫とゴリラ

個数:1
紙書籍版価格
¥1,650
  • 電子書籍
  • Reader

虫とゴリラ

  • 著者名:養老孟司/山極寿一
  • 価格 ¥1,400(本体¥1,273)
  • 毎日新聞出版(2020/06発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784620325804

ファイル: /

内容説明

人気解剖学者・養老孟司と、ゴリラ研究の第一人者にして京大総長の山極寿一の初の対集。ゾウムシをはじめさまざまな虫を採集する「虫の養老」さん、アフリカのジャングルでゴリラを追い続ける「ゴリラの山極」さんが、人間社会を問い直す。海や山の豊かな自然と共生してきた日本人が、なぜ70年代以降、山を切り崩し、海岸線をコンクリートで固め、自然を破壊してしまったのか。日本を覆う沈滞ムードの正体は何か。虫とゴリラの目で、情報化する現代社会に警鐘をならし、新しい形での自然と共に生きる道を模索する画期的な対談集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ひろき@巨人の肩

99
解剖学で昆虫好きの養老孟司先生と霊長類学者の山極寿一先生の対談。話題が転々としてお二人の思考を正確に把握できなかったが、示唆に富む内容で一読の価値あり。自分なりの解釈は以下の通り。言語による「つながり」を強みとする人間。特に西欧キリスト教的思想は、自然も情報化することで制御できると信じて、科学技術に未来を賭ける。一方で情報化の弱点は、複雑な世界を均質的に捉えることで、人間社会や自然における個体の存在がノイズとなること。2023/09/11

けんとまん1007

78
敬愛するお二人の対談。タイトルから想像したとおり、知的刺激に溢れている。その根幹にあるのが、危機感。生き物としての人間の在り様が、既に、壊れてしまっていること。それを、どう立て直すのかの視点。すべてを情報化し、ますます、身体性からかけ離れていく風潮。人間は、五感を使って物事やその背景を感じ、考え、行動するものだと思うが、どうなのだろう。身体性に根差すしかないと考えているし、そうでないと、ほんの僅かな変化・違いにも耐えられなくなる(もう、そうなっている人たちが多いとも思う)。2022/04/08

ミライ

45
解剖学者の養老孟司さんと、霊長類学者の山極寿一さんによる対談を収録した一冊。虫とゴリラの目で日本の未来を語った作品で、養老さんは虫、山際さんはサルやゴリラをたとえに使って、最新のビッグデータやAI・SNSなどについても語られる(2人とも研究対象が異なるのに、不思議と会話が噛み合っていたのが凄い…)。社会学・歴史・生物学からITまで幅広く語られる「知」の宝庫の2人の対談は、読むだけで勉強になる。2020/11/19

34
いろいろなことを語ってる対談だけど、科学の網から漏れたものを軽視するなということかな。特に触覚。人類への進化過程で脳の肥大化→同時に(同じ外胚葉から生じるはずの)毛が短くなる→毛繕いをしなくなる→触覚中心の直接的コミュニケーションの後退、のくだりはなるほどそうかもしれん。関係ないけどお二人の名前を見てたら寿司行きたくなった。2022/05/02

yutaro13

33
シンプルなタイトルが好き。普通の対談本だと対談本編の前に趣旨や背景の説明があるものだけど、いきなり対談が始まるのがこの本。なぜこの2人の対談が組まれたのかは最後まで謎のまま。虫やサルの話を軸として取り止めもなく話が進み、ところどころ昔は良かった的なノスタルジーを挟みつつ、理想的な未来像を展望してみたりもする。お恥ずかしながら養老孟司氏がこんなに虫を研究してる人だなんて知らなかった。かたや山極氏はゴリラ研究の世界的権威。単著が面白そうだ。2020/08/15

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/15467432
  • ご注意事項