内容説明
「角のついた兜をかぶった北欧の海賊」という、誤りを含んだ偏ったイメージで語られてきたヴァイキング。実際には兜に角はなく、平時には商人であり農民だった。そもそも「ヴィーキング(ヴァイキング)」という言葉の語源は、海賊ではなく、商業地を点々としながら活動する商人そのものを意味している。北欧のみならず、イギリス・フランス・イタリア・ギリシア・ロシア史に大きな影響を与えてきた彼らは、どんな人々だったのか。
彼らの芸術は、象徴的な抽象主義と純粋な現実主義との中間にあり、機能性と美とを同時にかねそなえた、いわば実用的理想の域にまで達していた。ヴァイキングの精神・物質生活はひとつの文化であるだけでなく、西欧のキリスト教文明に匹敵するひとつの文明である。
本書は、ルーン学、サガや詩などの史料を駆使し、ヴァイキングの陸上や船上での日常生活や年中行事の、物質的側面のみならず精神生活をも幅広く扱い、「家族」を中心とした社会を組織したその豊かで高い文化全般を詳説する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケルトリ
3
宗教・文化・生活・食事など詳しい生活の状況がていねいに書かれている。今までヴァイキングは粗暴な海賊のようなイメージしかなかったが、それも彼らからすれば明確な行動のもとに行っていたということを初めて知ることができた。2020/01/22
しかおおう
3
ヴァイキングのイメージ、角のついた兜をかぶり、海賊として暴れまわる怖い野蛮人のようなイメージを覆してくれる。 武人よりもそもそもは多くの長い道のりを物ともしない商人であり、傭兵でもあり、武力を使うことはあってもそれが主ではなかったと。さらには日常習慣(宗教)、文学など多面的でわかりやすかった。2020/01/08
サタイン
1
非常に分厚くて読むのが非常に大変でしたが、ヴァイキングとはいかなるものであるかって事が何となく骨格としてつかむ事ができました。ヴァイキングと言えば海賊!だけどそれは一面でしかなく実際はヴァイキングという生き方に過ぎなかった。北欧神話に関する知識も補間できてとてもよかったです。2023/06/19
みこ
0
一般的なヴァイキングのイメージは、乱暴で粗野で、戦って略奪することを喜びとする野蛮な人々というようになっている もちろん、イングランドなどを征服するなどの組織だった乱暴な行為があったのも事実で、そうした姿はヨーロッパ世界に恐怖を与え、そのように記録されてしまっているが、その実態は世界初の民主議会を行っているほど法律や秩序を重視し、なにより商人としての側面が強く、略奪行為はあくまで一つの手段でしかなかった そのヴァイキングらしさはキリスト教の受容によって消えていったことも、現代に生活に伝わらない一因であろう2024/11/07
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