内容説明
介護保険スタートから二〇年.少子高齢化や人口減の危機も高まっている.高齢者介護や認知症介護,障害をもつ方の介護に限らず,介護またケアは,さまざまなあり方で,誰にとっても「生きることの一部」となってくるだろう.各界の人々が,体験や見聞をふまえて「これだけは言いたい」ことを縦横に語り,問いかける.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃが
51
高齢者介護をイメージにこの本を手に取ったが、認知症、障害、病気をもつ方の介護に限らず、様々な介護またケアを受けている人、介護している人の体験者や専門家などが語られていた。毒蝮さんの明治生まれのお母さんの教えは「人のお世話にならぬよう。人のお世話をするように」「病気の人を見たら、声をかけるんだよ。その人はお前と関わりがあるんだから。なぜって、お前の代わりにその人が病気になったんだ。代わりに背負ってくれているのだから」と語られていたが、今の新型コロナの対応に通ずるものがあり、心に残った。2020/04/08
kayo
23
様々な分野の方が高齢者や障害者の介護について語ってくれています。一筋縄ではゆかない介護事情が本書を読んで理解できました!という魔法のようなことはなかったですが、この中で障害を持つ娘を持つ母親の「介護される人を「お荷物」ではなく「お神輿」のようにしたい」という言葉に大きく頷き、みんなで担いでゆくのが介護なのだと思いました。2022/07/21
ネオ
18
何という本であろうか。目からウロコでした。介護職として疑問だった事、言葉に出来なかったモヤモヤ感、焦りや諦めなどが、この本によりはっきりと形になって見えてきました。知れて良かった。何度も読みたい本です。各著者の著書も読みたくなりました。2021/10/16
かもめ
13
最初のレビューで恐縮です。先頃、新聞の書評で久坂部羊先生の記事を読み、本書に興味を持った。医師や介護士・介護される当事者とその家族など、様々な視点からの介護に関する意見と感想の短編集。読み進むにつれて、重苦しい内容になる。昨今の「明るい介護」のような話はない。気になる著者のプロフィールで、肩書や他著書も参考になる。介護とは「生きることの一部」と思えるようになりたい。2020/04/04
京 遊
9
認知症・障害者などの介護/ケアについて多方面からの視点をまとめた本書で自分の介護の振返りや方針を再確認した次第で新たな気付きも得られた。毒蝮三太夫氏の「介護の三つのK(経験とコツ、心)」、もっと広く知れ渡って欲しい。「社会問題の根底にあるのは、無関心故の無知、人権軽視、想像力の欠如」であることを、介護者以前に人として肝に銘じたい。一番共感したのは、被介護者を「「お荷物」ではなく「お神輿」のようにしたい」という談話。皆で協力して神輿を担ぎ いい汗をかいて経験を共にする。多方面の力を借りて親の介護を担ぎたい。2023/01/03