内容説明
地獄変の屏風を画くため,娘を火にかける異常の天才絵師を描いた「地獄変」,映画「羅生門」で一躍世界に名を馳せた「藪の中」など,古い物語の中の人物を見事に近代の中に蘇らせ得た,芥川王朝物の第二冊.他に「運」「道祖問答」「袈裟と盛遠」「竜」「往生絵巻」「六の宮の姫君」「二人小町」を収める.(解説=中村真一郎)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
63
悲喜交々の人生満載の作品群。中でも洒落っ気たっぷりな『二人小町』は突出。黄泉の使いだって、嫌みも言いたくなるわなぁ。(笑)同様だが、少しひねりの効いた『竜』。子供たちの団扇がオチに絡むと思ったが、予想外れた。”鼻”ですよね~。(笑)対照的なのが『運』と『同祖問答』。物心、真の幸せを問いかけている感。後者の余韻を残す終わり方は印象的。”結末”という観点では『邪宗門』。『地獄変』からの継続性と対照的な娯楽性が興味深いも、あまりの”結末”がジレンマとなるなぁ。いつか何処かで”発見”されることを祈るのみ?!2018/02/16
優希
53
何度読んでも面白い作品ばかりです。王朝ものを集めていますが、読みにくさは感じません。古の香りが近代文学として昇華されているからでしょうね。中でも『地獄変』は強烈なインパクトがあり、好みです。改めて芥川は王朝ものが得意なのだと思わされました。2024/04/01
優希
51
王朝ものを集めた短編集です。古き物語を現代へと昇華していると思いました。娘に火をかけてまで地獄変の屏風を描く『地獄変』が好みです。2023/02/06
優希
49
面白かったです。王朝ものの名作揃いで引き込まれました。古い物語のはずなのに、現代に通じているように感じます。古典を見事に近代に蘇らせた作品集と言えるでしょう。2022/04/05
ほりん
43
芥川の王朝物の短編集。表題作のほかに,「運」「道祖問答」「袈裟と盛遠」「竜」「往生絵巻」「六の宮の姫君」「二人小町」収録。運命の皮肉,心の奥底の暗闇などが,雅な世界を背景に描かれる。妖しく美しい世界。今更にして,芥川の凄さに感じ入るばかり。「好色」の中の一節「…しかし平中の不幸なのは,いわば天才なればこそだね。…とにかく仕合(しあわせ)になるためには,御同様凡人が一番だよ…。」天才は大変なんだとしみじみ思った。2015/08/19
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